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ライトノベルはどうあるべきか

 一般文芸作品とライトノベル作品の相違点として、前者は文章の美しさ・技巧を重視したものであるのに対して、後者はストーリーに重きを置いたものである、という論を目にした。そしてこの論の提唱者は、ラノベを書くにあたって文章を飾る必要性はない、とも述べていた。さらに言うと、この論の提唱者は書籍化まで果たした現役のプロラノベ作家である。

 私が思うに、プロとしての実力もあって尚且つそれなりの影響力を保持している人間が、SNS上でこのような意見を拡散するのは、今後のラノベ業界の進展にとって、マイナスでしかない。

 以下、私の考えである。

 そもそもラノベとは、”手軽に、そして自由に”読める・書けることが出来るものである。そしてそれは、必ずしも、従来の難解で複雑な純文学からの脱却を意味しているワケではない。

 別に、文体の美しさや奇抜な比喩表現に力を入れたラノベがあって、いいではないか。ポップでコミカルな展開から、ドロドロシリアス展開まで、どんな内容であってもいいではないか。「ラノベはこう書かなきゃいけない」と作品の中身を画一化するような考え方こそ、”手軽に、そして自由に”というラノベの理想から外れたものではないのか?そんな有様だから、「ラノベはバカが読む本」みたいな感じで似非文芸側の人間に見下されるのではないのか?

 おそらく多くの人は、一般文芸からラノベを差別化するために、「ラノベはストーリー重視」と豪語しているのだろう。しかし、それは絶対に違う。

 差別化するべきは、「内容の自由度」だ。華美な文章が強みの作品から、厨二心を刺激するような作品まで、どんなものを書いてもオッケー。それこそがライトノベルの真骨頂であり、一般文芸作品との最大の違いである。

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