言わずと知れたサイエンスフィクションの事なのですが、
この話になると、オレがどうしても語りたくなるのは、トータルリコールという作品です。
アーノルド・シュワルツェネッガー主演のこの作品なのですが、
作品の冒頭を見ると、先日逝去された寺沢武一先生の作品「コブラ」の
冒頭と非常に良くにております。
勿論「コブラ」の方が作品公開は先であります。
よって、記憶をなくしてバーチャル世界を見せられ――――。
という冒頭は、よく言えばオマージュが含まれていたのではないか?
と言われております。
近未来の世界を描いたこの作品ではありますが、
この作品は特に様々な特撮も含まれておるのですが、
いや、特筆してこの作品だけに言えるわけではないのですが、
設置されているディスプレイなどにブラウン管が用いられている。
というところです。
このあたりが実にSFとして面白い。
作風としてそれを狙っているわけではないのですが、
数々の設定の中で、未だに実現出来ていない部分もあれば、
過去のSFを追い抜いてしまっている技術や発想があるのだと
ついつい実感してしまうのです。
もしこの作品がリメイクされたのなら(されたか?)
恐らくインフォメーションやサムネージュは空間投影になっていたり、
壁面への投影式となっていることでしょう。
サイバーパンクや、60thのノスタルジーな背景を狙った訳でもないというところが、非常に感慨深いのです。
最新を狙った古いSFを注意深く見てみれば、意外なローテクが見つかるかも知れませんね。