好きな作品が書籍化する喜び、強烈です。そんな強烈喜び体験、今年に入って3度もありました。
彼女が好きなものはホモであって僕ではない 著者:浅原 ナオトさん
https://kakuyomu.jp/publication/entry/20180216木崎夫婦ものがたり 旦那さんのつくる毎日ご飯とお祝いのご馳走 著者:古池 ねじさん
https://kakuyomu.jp/publication/entry/2018040901ドルフィン・デイズ! 著者:旭 晴人さん
https://kakuyomu.jp/publication/entry/2018042001この3冊です。大興奮です。大喜びです。
そんな昂り、そして好きな気持ちを書き残しておきたい。超個人的な感想にしかならないけど、自分のノートだしいいよねってことで思うがままに書きます。いいよね!
まずは『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』
本を買うだけで、人間てこんなにも興奮できるものなのかー!とちょっと自分でもびっくりしました。胸がいっぱいとはまさにこのこと。
表紙からして最高なんですよね。構図とか色彩とか表情とか持ち物とか本当全部良すぎて、最終的には三浦さんの肘の赤みが一番のお気に入りです。しかも帯を外さないと拝めない貴重な赤肘。超キュート。
中身は購入から一晩寝かせて読みました。ウェブ版ではじめて読んだときは、心に突き刺さるし刺さったまま揺さぶられるしで息つく暇もなかったけど、書籍版ではちょっとは冷静に読めるかなぁと意気込んでいました。でも甘かった。洗練されていて、研ぎ澄まされていて、より深く突き刺さるよ。そして読むほどに沁みるのよ。
ウェブ版では何気なく読み進んだ箇所にもグッときたり、比喩だと思っていた一文が比喩じゃなかったのかとハッとしたりもして、細部にまで脈々と色々な想いが込められていたことに改めて気付かされたりもしました。
何度読んでも好きだわぁってにんまりしちゃうのが「人が食パンになるパラパラ漫画」のところ。サッと出てくるだけのワードなのに、亮平への愛着が一気に膨らむ。すごい。読んでいるだけで友達が増えた気分になる。嬉しい。さりげなく飛び出す真実味のあるワードで奥行きをズバーン!と出してくるところも油断ならなくて楽しい。
訴えかける力が凄まじい作品なのに、こうした楽しさもたくさん散りばめられていて、緊張と緩和のバランスに魅了されっぱなしです。愛も伝わってきます。たっぷりと。
もうね、留まるところを知らずにどしどしバッサバッサと売れ続けていって欲しいです。アニメ化したりドラマ化したり映画化したりもして欲しい。世の中が、この物語を知っている人だらけになって欲しい。
……と、いつまでも鼻息荒く思ったりしているので、読み終わっても一向に読み終わった気がしません。
続いて『木崎夫婦ものがたり 旦那さんのつくる毎日ご飯とお祝いのご馳走』
ウェブ版『日当たりのいい家』の雰囲気の格別さはそのままに、書籍版ならではの良さもみっちりと詰まったお得な一冊でほくほくでした。ウェブ版でしか読めないエピソードも好きだったし、書籍版でより繊細に広がるゆすらさんの内面世界も味わい深かったしで、どちらのバージョンでもじっくり楽しむことができて幸運だなぁ。ありがたいなぁ。と、読後しみじみ噛みしめました。
ページをめくれどもめくれども、この作者さんにしか書けないだろうなぁとか、他では絶対読めないよねこれは、っていうものの連続で、そんな小説の世界にどっぷり浸ることができて大満足です。
「嫌な目に遭ったことを、嫌な目に遭ったと認めてくれて、怒ってくれる誰かがいるのなら、大丈夫だった。」のところがとくにお気に入りです。ふんわりしているのに誠実で、いいなぁすごくいいなぁとうっとりしました。
自分ではうまく言葉にできないけど、それでも確かに知っている感情が、本の中に美しい表現で書いてある奇跡!そういうものにめぐり合えた喜び!!……みたいな感動に、読んでいていっぱい出会えました。琴線に触れるどころか、琴線鷲掴みです。
ネーミングセンスも秀逸でたまりません。みんなそれぞれがこれしかない!感がすごくて、抜群にしっくり。江崎さんでも田崎さんでもダメ。木崎さんだからこその木崎さん。
崇も崇だからこそより崇という気がします。私、メインの木崎夫婦を差し置いて、崇が一番好きで。とても大好きで。好きで好きでたまらなくって。ウェブ版から崇ぃぃい!ってなっていたけど、書籍版ではもっともっと崇ぃいいい!!!ってなった。好き。
なので、崇が宿るご本を所持できて嬉しいです。ウェブ上だといつか読めなくなってしまう日がくるかもしれないもの。そんな儚かった崇が、我が手の中に。ああ、なんという幸せ。愛と勢いがあまって電子書籍版も買いました。崇に課金!っていうノリです。うひょひょ。
最後に『ドルフィン・デイズ!』
ウェブ版の『Blind Blue』はカクヨムに登録してから初めて読んだ長編小説で、思い出の作品なのです。おまけに応援していた作品が見事大賞を掴み取る!という大歓喜を届けてくれた作品でもあるので、思い入れも一方的に深いのです。
書籍版はつい先日読了しました。ほやほやです。展開を知っていても、ドキドキわくわくハラハラうるうるが止まりませんでした。そんでもって、書籍版でしか会えない登場人物がいるのがすごい。はじめからいたみたいに溶け込んでいるからもっとすごい。
はじめて読んだときから採用試験での“忘れもの”エピソードが大好きで何度読んでも泣いてしまうのだけど、書籍版だとさらに「きゅうっ」と素敵になっていて、一旦本を閉じて、わーーーーー!!!っと走り出したくなりました。熱い。超熱い。本当もう、ドラマチック極まりない。
最初から最後までずっと熱くてドラマチックで、爽やかで、世界観が突き抜けて青なの青春なの。そんな世界を構築しているのが臨場感を超えた文章の煌めき。主人公の目線を通して描写される世界が恐ろしく美しくて眩しくて、私ひとりの目ん玉では決して知ることのできなかったであろう景色を惜しみなくバンバン見せてくれる。それも大迫力で。とびきり鮮やかに。
ド派手なイルカショーの描写だけじゃなく、しっとりとした描写もこれまたカッコ良くて。とくにお気に入りの一文は、「涙の味は、どうして海に似ているのだろう。」です。痺れます。
あと、キスシーン!こんなに可愛くて素敵なキッス見たことないよ!ってくらいに盛大にときめくキスシーン!カッサカサの心が潤いました。胸きゅん最高潮です。
とにかくイルカのビビちゃんが可愛くて可愛くて、つぶらなおめめ、つるんとおでこ、大活躍の噴気孔に至るまで根こそぎプリティで、読んだ翌日、なんと夢に見ました。というか、ビビちゃんが私の夢まで泳いで逢いに来てくれたと都合よく解釈しています。ありがとう。またぜひきてね。脳内に新鮮なサバを用意して待っているね。
よしっ。思いの丈を放出できてスッキリしました。
レビューでもコメントでもない感想を書ける場所があるのはいいですね。
長くなってしまいましたが、最後まで読んでくださった方、お付き合いくださりありがとうございました。