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経験したことしか書けないという理屈への反論

「作家は経験したことしか書けない。だから色々経験しよう」

 というのは小説を書いていると嫌でも聞きます。私はこれには賛成していて、実体験に勝る資料はないと断言しますが、「経験したことしか書けない」「それ以上のことはかけない」と、ときどき小説を書かない人ほど声を大きくして言うことがあって、うーんってなっちゃうんですよね。
 それこそ「だからファンタジー小説はふわっとしていて地に足がつかないものが多い」とか「恋愛したことないくせに」みたいな決めつけとか。

 私としては「経験したこと以上の想像ができないようなら小説と呼べるだけの物には仕上がらない」というのが理屈としてあります。
 つまり、経験したことをもとに空想を描いていく「想像力」が大事かな、と。
 先述の通り、経験は大事です。ただ、その経験を膨らませる想像力も同じくらい大事で、そしてその想像を補強するのが資料=他人の意見や考えというものではないのかな、と思うのです。

 極論、経験したことを書き出した文章は日記やエッセイであって、小説ではない気がします。
 あくまで私個人の持論です。

2件のコメント

  • フィクションでもノンフィクションでも、
    書き手によって個性が出るから面白いんだと自分は思います。

    「想像力」とは要するに、事実でも、架空の出来事でも、
    ある出来事を頭の中で整理し、他人に説明する力のことです。
    ノンフィクションにも、事実に対する目の付けどころ、ものの見方、
    考え方、喩え方が面白い作品はたくさんありますよ。

    小説と日記は明らかにジャンルが別ですが、
    作者の個性が文章の面白さに寄与するという点では、どちらも文学作品です。
  •  確かにおっしゃる通りですね。
     相手にわかりやすく情報を伝達するために、この単語を使うか、こういう文章として吐き出すかと考える能力は確かに想像力だと思います。
     ただ、決してノンフィクションを貶す意図があるわけではないということはこの場を借りて釈明しておきます。誤解を招いてすみません。
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