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月森乙さまへのご質問

月森さま、

今回は「カクヨム作家さんに聞いてみた」にご協力いただきありがとうございます!
以下が質問となります。
急ぎませんので、お時間ありますときにご回答いただけますと幸いです。答えたくないような質問は飛ばしていただいて結構です。何か疑問等ありましたら、お気軽にお声がけください。よろしくお願いいたします。

Q1 まずは単刀直入にお伺いします。
「川崎君の華麗(カレー)なお仕事」を書こうと思ったきっかけを教えて下さい。
「はじめに」で何年も前に会社の倒産を経験なさって、文章にするのは二回目だとおっしゃっていましたが、印象的な体験だったので書かずにはいられない!という気持ちだったのでしょうか?

Q2 この小説で最も印象的なのは、経理の非常にテクニカルな内容がとてもわかりやすい文章で書かれているということです。手形の不渡り、取引相手の選び方、差し押さえの仕方……。「わかりやすくて、親しみのある文章」というのが月森さんの文章の特長だと思っていますが、それを保ちつつ、経理の内容を正確に書くのは難しいと思います。経理について書く際に何か意識したことはありますか?

Q3 ハラハラする展開も、月森さんの文章の魅力だと思います。ご自分でも「最後でひっくり返します!」とおっしゃっているので、細かくプロットを考えていらっしゃるのだと思います。この手に汗握る感じ、焦らして焦らしてどーん!と切り返すテクニックなどは、どこかで勉強されて身につけられたものなのでしょうか? それとも、ご自分で「よーし、こんな感じに書くぞー」とナチュラルに書けてしまえるものなのでしょうか。

Q4 このお話を読んでいると、ハリウッド映画やアメリカのドラマを見ている気分になります。特に四章で沙也さんがホテルに連れて行かれて、チーム・ナザリに紹介されるシーンはスクリーンが見えるようです。でも、実際はどうなんでしょう。映画やドラマなどを意識して書いていらっしゃいますか?

Q5 五章の株のエピソードも、なかなか書けないと思います。これも The Big Short みたいで映画っぽいですよね。コメント欄で、「同じ状況になったときに小金を儲けた人がいる」とおっしゃっていたので、やはり経験から書かれているのかなと思いました。そのときの体験に、知識をプラスして書かれたのでしょうか。

Q6 最後の買収の種明かし(五章の「3. 同じ方向」)は圧巻です。情報のリークで丸高の株を取得し、丸高と暁で合弁会社を作って、村雨の電炉に卸すための還元鉄を作る。その後の事業展開(エピローグ)も、鉄鋼貿易部をナザリ・グループで固めたり、高原製作所に旧型のヘリコプターの部品を作らせたり、グローバルなビジネス視点が無かったら書けない内容です。この辺りを書くために調査したり、悩んだりしたことがあればぜひ教えていただきたいと思います……。

Q7 確かコメントか近況ノートで、「日本の企業はもっと海外でビジネスを広げられるのに……」といったことを具体的な例と共に書いていらっしゃって興味深く拝見しました。ここでもう一度、丸高のようなおっとりとした日本企業が海外で伸びていくためにできそうなことを、海外で生活していらっしゃる視点で挙げていただくことはできますか?

Q8 ここからは、登場人物についてお伺いします。
まずは何と言っても川崎くん! 海外育ちで頭も切れる(そして女の子を口説くのも上手い!)イケメンは、どんな経緯で生まれたんでしょうか?

Q9 梁瀬さんも、知的で一生懸命、おまけにガッツもあるけれど、人に言えない家族の事情で人と深く関わることはない……、となかなか難しいキャラクターです。暗くならずに彼女を描くのは大変ではありませんでしたか? 何か気を付けていた点があれば教えて下さい。

Q10 私は個人的に山本くんが一番好きでした笑 普通の男の子っぽい感じ、梁瀬さんに見せる思いやりがとてもいいです。なんだかモデルがいそうだな、と思うのですがいかがですか?

Q11 そして最後にカレー! なぜカレー部だったのか教えてください! そして、月森さんのお気に入りのカレーがあるようでしたら、ぜひそれも教えてください。

Q12 ここからは、月森さんご自身についてお伺いします。
ペンネームの由来を教えてください。特に「乙」というのが珍しいなと思ったのですが、お名前にまつわるお話はありますか?

Q13 小説(全般)はいつ書き始めましたか? なにかきっかけはありましたか?

Q14 執筆でこだわっていること、気にかけていることはありますか? (文体やわかりやすさなど)

Q15 ご家族もいらっしゃってお忙しそうですが、小説はいつ書いていますか? 書いている媒体 (PC やケータイなど) やソフトウェアがあれば教えて下さい。

Q16 ストーリーの案はどんな風に浮かんできますか? 映像で浮かんでくるとか、書いているとどんどんイメージが膨らんでくるとか、最初にあらすじをきっちり作る、とか……。話作りの過程を教えて下さい。

Q17 ご自身で好きな、または影響を受けた作家さん(アマチュア、プロを問わず複数可)がいれば教えて下さい。また、好きな作品も教えて下さい。

Q18 創作活動で目指していることはありますか? この小説の母体となるお話は文学賞の最終候補に残ったそうですね。そして、このお話自体も、出版するに遜色ないレベルだと感じます。プロになろう、とは思われないのでしょうか……。

Q19 「川崎君の華麗(カレー)なお仕事」の続編を書かれていらっしゃると伺いました。
もし、あらすじをチラ見せしていただけるなら、どんなお話になるんでしょうか?
また、いつ頃公開されるご予定ですか?

Q20 最後に、いつも月森さんの作品を読んでいらっしゃる皆さんに向けてメッセージあればお願いします!


お忙しいところ、お時間割いていただきありがとうございます!

35件のコメント

  • Q1.
    私は子供のころから小説を書いていて、13歳で集英社のコバルトの短編に応募した時に、編集の方から声をかけていただいたことがあって。色々あってダメになったんですが、その時に書いていたのがファンタジー系、今でいうあやかし系でした。

     なので、自分はそっち方面なんだろう、と思い込んでいました。けれど、会社が倒産した当時、通っていた小さな小説学校の先生から、「君はファンタジーの人じゃない。現代文学を書く人だよ。すごい経験をしたんだから、君が書くべきだ。君にしか書けない物があるはずだ」と言われました。

     あまりピンとは来ませんでしたが、「先生が言うなら書いてやるか(←ほんと、偉そうですよね)」みたいな感じで書いたら、新潮社の最終候補に残ったんです。私はてっきり受賞すると思っていたんですが、ダメでした。

     その時、有名な作家の先生方から講評をいただいたんですが、林真理子先生からはこう書かれました。

    「たしかに、あなたが大変な経験をしたのはわかります。でも、それをそのまま文章に書くのは小説ではない。それを自分の中で調理して、自分の作り上げたストーリーに落とし込んで初めて小説と言える。今のままでは小説とは言えない」

     ショックでした。傲慢な鼻をへし折られたのもそうですし、自分が書いていたのは小説でも何でもなかった。ただのゴシップ的なものだったと気づかされたからです。

     そして、こんなすごい経験をしたのに、それを活かしきれないまま終わってしまったことが悔しかった。

     だから、何年かかってもいい。この素材を自分が納得できる形に仕上げる。小説、というものに作りかえるんだ、と、心に決めました。
     それが、約20年前のことです。

  • Q2.
    これはもう、推敲です。最初から最後まで書き直したのは10回以上ですし、このラブストーリーに決めてからも10年近く推敲してきました。何度も書いて、何度も読んで、自分が納得いくまでひたすら書いては消す、というのを繰り返しました。

     なので、わかりやすいと言っていただけるのは本当にうれしいです。
  • Q3.
    これも多分、推敲だと思います。修行のように書いて、消して、書いて、消して、を繰り返していくと、ある時突然、思ってもないアイデアが降ってきます。

     それは、寝ているときとか、車を運転しているときとか、お風呂に入っているときです。そのアイデアに沿って書いていくと、ある時突然、突き抜けた感覚に遭遇します。全身に鳥肌が立つみたいな。そうなったときに、読んでいる方を巻き込むことができるんだと思います。
  • Q4.
    映像は意識していません。

    わたしは公募歴が長いので(笑)、色々なものを書いてきました。以前は児童文学を書いていました。その時は映画を意識して書きました。
     その時に参考にしていたのは「クルーズ」という原始人が出てくる子供向けのアニメと、「シュレック」というアニメです。

     公募で児童文学賞の最終まで残ったのですがやっぱり落ちたので(笑)、それ以降、映画を意識して書いたことはないです。でも、その時の感覚が残っているのかもしれません。
  • Q5.
    当時、経理部では本気でみんなが「これで儲けられるかな」「ここで助けてくれる会社があればテンバガーだ」「けどこんな会社、引き受けてくれるところなんかないよね」という話が出ていました。「金ちゃん」のモデルになった人からこっそり、「実は俺、ちょっと儲けたんだよね」と言われました。

     本格的にAIが導入される前は、チャートを読んで株の売買をしたり、為替で小金を稼いでいたりしたので、その部分は経験、という感じですかね(笑)
  • Q6.
    もともと経済には興味があって、経済のニュースや経済番組などは必ず見ていました。「倒産の話を小説で仕上げる」と心に決めてからはずっと、鉄鋼関係のニュースにも目を光らせていました(笑)。ただ、鉄鋼関連は今ではそれほど大きく取り上げられるわけではないので、書き直すときに調べ直したりしました。
     国際関係は、とにかくこちらにはいろんな方がいるので、びっくりするような話を聞くことが多く、そこから空想につなげていきました。ヘリコプターの会社は友人が経営しているのですが、世界中からパーツを集めて高い値段で売っているそうで、その話を聞いた時に「日本の町工場だったらうまく作るだろうに」と思ったので、書いてみました。
  • つつつ、月森さまっっ!
    こんな素早く回答を頂けてびっくりしております! 仕事早過ぎです!
    そして、回答の濃さにまたびっくり……。川崎君は才能と努力の結集なのだということを実感しております。すごい……。
    こんな素晴らしいものを最初に読ませていただいて幸せの限りです。続きの回答も楽しみに待っております。
    取り急ぎお礼まで <(_ _)>
  • Q7.
    「安くていいもの」の感覚を捨てることと、値上げを恐れないことだと思います。
    それは、一社だけでやるのは無理だと思います。社会全体が「値上げせず、賃金据え置き」の様な後ろ向きの政策ではなく、値上げをしてその分を賃金に上乗せする、など、経済を積極的に回せるようにできればいいのではないかと。

     もしもその値上げ分を国民が使わずに銀行に預けるなら、銀行は将来のある企業にもっと投資をする。

     外国に出してしまった仕事を国内に呼び戻す。など、できることはたくさんあると思います。

     地方の都市ではそのような取り組みがなされていたり、子供の特性を伸ばす教育をしているところもあると聞きました。そういう動きが全体に広まって行けば日本はもっと活性化すると思います。

     市場を世界に広げたいのなら、外の世界を理解するべきだと思います。外国は、日本とは全く違う常識で動いています。それがわかれば、少しでも有利な条件で取引ができるのではないでしょうか。少なくとも私の知っている外国は「安くて質のいいもの」にそれほど価値を置きません。高くても「欲しけりゃ買う」んです。(笑)
     
  • Q8.
    多分、日本人がこっちで育てばふつうにエリートになります(笑)。

     というのは、こっち、受験戦争ないです。それよりも「子供の個性を伸ばす」ことに重点を置いているし、美術に行こうが音楽に行こうが、配管工事の仕事につこうが、それなりのお金がもらえるんです。

     なので、勉強な苦手な子に勉強を強いることはしません。しかし、東アジア圏の親にとっては勉強は重要事項。なので、ほかの子よりも勉強するから成績が良くなるんです。

     そして、授業も国語、算数、理科、社会、だけでなく、いろんな科目があります。例えば娘の高校だと、普通高校でも「犯罪心理学」とか、「海洋化学」、「ロボット工学」など、多岐にわたっています。子供たちはそこから自由に好きなものを選び、それを伸ばせる大学に行く。大事なのは、大学名ではなく、何を学んだか。

     川崎君は親の影響もあって、ビジネスが得意だった、というそれだけのことです。

     で、イケメンの理由は? これは、ここでは内緒です(笑)
  • すみません、Q8の補足です。

    こっちの大学、めちゃくちゃ学費高いです。なので、卒業した後にその分、お給料で回収できるくらい、即戦力になることを教えてます。そうじゃないと、大学経営成り立たないので。ビジネスの学校に行ってちゃんと勉強すれば、いっぱいお給料もらえるくらいすごい知識を教えてもらえます。
  • Q9.
    これも、ただひたすら推敲です(笑)。

     基本、私の地の文は「おもろい感じ」なので、梁瀬沙也の性格とは相いれません。何回も書き直して、色んなセリフ言わせて、おもろい女にならず、暗すぎず、というのを目指しました。

     もし成功してるなら、うれしいです。
  • Q10
     山本君は「世の中のすべての女性に好かれる男」なんだけど、いい人すぎて選ばれない、という人であってほしかった。

     とにかく、自分の中の女子を掘り起こして、一つ一つの仕草から、行動から、言葉から、全てを精査し、どれをとっても「川崎よりも絶対こっちがいいじゃん! なんでこっちじゃないの⁉」と思ってもらえるように、たくさん推敲しました(笑)。
  • Q11
    実はカレーあんまり得意じゃないんですよ。食べますけどね。(笑)

    元ネタでは「とんかつ」でした。でも、とんかつって、いろんな店に行っても地味かな、と。それで、みんなが好きで、派手めな感じの食べ物で、食欲そそる、っていったらカレーかな、と。

     私はインドカレーのほうれん草が入ったやつが好きです。自分で作るなら、アタ―が作ってたレンズマメです。
  • Q12
    みなさん、多分、「つきもり おつ」って思われてると思うんですが、「おと」なんですよ(笑)。淀川さんにも言われたんですが、あとで自分で乙さんって、「おとーさん」とか「おっさん」とか読めるなあ、と。(笑)

     四柱推命で決めました。わたし、四柱推命だと「木」が強いんですよ。

    だから、自分を表すのにちょうどいいかな、と。

    「月」は、最初に編集者さんから連絡もらった時の小説のタイトルが「月の草原」だったんです。

     私は自分の干支が「水」で、森は「木」が三本だし、「乙」は「陰の木」を示すんです。「水」は「木」を強めるんで……って、すみません、ちょっとマニアックです(笑)。
  • Q13
    子供のころから本が大好きで。図書館の児童書コーナーの本などはほとんど読みつくして、割と早い時期から中学生向けの本とか読んでました。その時はイギリス文学が好きでした。

    最初に小説を書き上げたのは9歳の時でした。書き上がった時の快感が忘れられなくて、「私絶対、小説家になる!」って思いました。(笑)
  • Q14

    わたし、地の文でしっかり説明を入れるんです。なので、その説明のところで読者が退屈にならないように工夫してます。

    できるだけ短い言葉で言いたいことを全部伝えられるように。説明っぽくなるところは、友達に解説してる感じで。退屈で飛ばしても、なんとなく意味が分かるように。飛ばしたくなるところで、目を止めてしまう表現を入れるとか。

    前後をキャッチ―なセリフにして、「この退屈な部分が過ぎたらテンポのいいセリフになるから我慢しよう」って思ってもらえるように、ですかね。(笑)

     とにかく、読者の方に楽しんでほしいです。
  • Q15
    うちはもう子供が大きいのでそれほど手はかかりません。ダンナが出張で家にいないことが多いので、ダンナが家にいるときは食事以外の家事は全部ダンナにやらせてます(笑)。

    執筆は、アマゾンで一番安かったPC(今はacerというやつ)とかiPadですね。作品はそれほど多くないのに、推敲の量が多いんでキーボードの壊れる回数が多くって! 
  • Q16
    最初にあらすじを書いて、少しずつつけたり外したり。粘土細工みたいな感じです。アイデアが浮かんだらメモして、そこから人が動き出したら書き始めます。でも、最初から全部書き直す回数も多いです。
  • Q17
     商業作家さんは、ファンと言えるのは池波正太郎さん。上橋菜穂子さん。でも、最初に影響を受けたのは、高千穂遥さんというSF作家さんです。クラッシャー・ジョウとかダーティ・ペアとか。小学校3年生くらいの時に読んで、ものすごい疾走感とキャラクターの鮮明さに衝撃を受けました。

    カクヨム作家さんだと柊圭介さん。心の傷を正面から真摯に見つめ、正確な形で見せてくるのですが、それを救う大きな愛情で着地させてくれる方です。「ジュールの森」に圧倒されました。

    あとは珠邑ミトさんの「白玉の昊」。伝奇物なんですが、その何となく醸し出されるおどろおどろしたキレのいい筆致と、キャラクターの造詣の深さ、話が壮大なんですが、破綻がないところ。最初に読んだ時は鳥肌が立ちました。
  • Q18
    ずっと出版だけを目標にしていたのですが、4月に、文芸社さんの文芸社文庫NEO小説大賞で大賞をいただき、11月に書籍化することが決まりました。

    ン十年書き続けてようやくです。(笑)

    ずっと、自分の作品が「文学賞にしては軽すぎるし、ライトノベルにしては重過ぎる」というのに気づいていて、自分に合う賞はないんだ、と、ほぼ諦めていました。でも文芸社さんが迎え入れてくださったので、本当にうれしいです。

    そちらは「弁当男子の白石くん」という作品になります。

    とにかく今は「白石くん」を最高の形に仕上げて、たくさんの方に読んでいただき、結果を出したいと思います。

     そのあとで「川崎君の華麗(カレー)なお仕事」を文芸社さんに見てもらおうと思っています。

     文芸社さんの方からは、「ほかの賞に出してもいいですよ」と言っていただいたのですが、すでに公開してしまったこと、長すぎること、そして何より、「私がこの文体で行く限り、出版しようと思ってくれる出版社は文芸社さん以外にないだろう」と思い至りました。
  • Q19

    次作は「川崎君の華麗(カレー)な活躍」になります。

    「お仕事」のほうが、梁瀬目線で倒産の方に焦点を当て、彼女が恋愛を通して自分の殻を破る、という話だったのに対し、次作「活躍」のほうは川崎目線で買収のほうに焦点を当てた作りになっています。チーム・ナザリがあの手この手で情報を集め、チーム一丸となって丸高を救うというストーリーに乗せて、梁瀬沙也と関わることで川崎自身が変わっていく姿を描きます。

     こちらはあらすじは終わっていますが、専門的な知識などが必要なので、また年単位の推敲になるのではないかと……(笑)
  • Q20

    web小説では、おおよそ受け入れてもらえそうにない「経済」。さらに「経済」とは相性の悪そうな「恋愛」の話であるにもかかわらず、たくさんの方に完読していただき、本当にうれしかったです。

     また、いただいたたくさんのコメントが励みになり、自信になり、そしてそれを読んだことで改良する部分などに気づかせていただきました。
     誤字脱字から始まり、人物造形、矛盾、専門知識などご指摘など、皆様からのご意見がなければ今のようないい形に仕上がることはなかったと思います。

     本当に、本当にありがとうございました。

     これからも皆様のお力をお借りして活動を続けていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
  • イカワさま。

    明日からはちょっと忙しくなるかなあ、と思って、一気に書き上げてしまいました。(笑)

    説明の足りないところなどありましたらご連絡ください。ありがとうございました。

    あと、特に人気作家でもないのに気づいて下さり、一気に読んでいただいてありがとうございました!
  • 月森さま!

    濃い、実に濃い回答をありがとうございます。

    そして、プロデビューおめでとうございます!!!
    素晴らしいことです。何年もかけて築き上げた文章スタイルの賜物ですね。枠にはまらないから面白い、というお話もあると思います。これほどのお話を書ける方が出版社の目に止まらないはずはないですよ。投稿されてから、人気が出て、プロになっていく様を目前で見ることができて私は幸運です。

    そして月森さんは私の中では既に大御所の人気作家さんなので……。結構びくびくしながら、お願いに上がったのでインタビューに回答していただけて、とても光栄でした。

    頂いた回答には諸々所感があるのですが長くなりそうなので、公開する月森さんの回答にコメントを入れさせていただこうと思います。

    でも一つだけ!(コロンボか)
    だいぶ推敲に力を入れているようですが、推敲の際にはどのような点に注意しますか? どんな方法で推敲しているのか教えていただけると嬉しいです。例えば、しばらく寝かせてから読み直す、とか、XX に注意しながら読む、とか……。よろしくお願いいたします。

  • 何度もひたすら読み返します。細かく読み返して行くうちに「あー、こうしたほうがいいじゃん!」となって、そこを変えると、関連して変更する場所が出てきて……とやってるうちにかなりの時間が経ちます。それを繰り返しながら最後まで推敲する。もう一度最初から読み返す時にはすでに1カ月くらいは過ぎているので、また粗が見えてきて……の繰り返しです。

     大きな書き直しは、公募に落ちた時にやります(笑)。下からひっくり返すくらいの大手術です。そうすると別物に変わるので、それをまた公募に出します(笑)。

    「川崎くん」は、最初のを入れると3回落ちていて、カクヨムコンを入れると4回落ちてることになります。なので今回もすでに推敲を入れてます。

    「活躍」を書き終わる時点で、話の整合性を保つためにさらに推敲しなければならないのではないかと思います。

     ちなみに「川崎くん」のもとの話は「倒産する会社の社員たちの苦悩、憤り」を描いた群像劇でした(笑)
  • ただし、今回の推敲は、「活躍」が控えているのでそれほど大きな推敲ではないです。
  • そして、最初のバージョンの川崎くんのタイトルは

    「八月のナイトメアー丸高商事、消ゆー」

     で、川崎和也は鉄鋼貿易部の第一課長で、妻子持ちの四十歳でした。梁瀬は経理でしたが「どうしよう」と、オロオロするだけの女子社員だったのです。

    変われば変わるものです。(笑)
  • 『「八月のナイトメアー丸高商事、消ゆー」
    で、川崎和也は鉄鋼貿易部の第一課長で、妻子持ちの四十歳でした。』

    うわあ、変われば変わるもんですねえ! ああ、でも、そんなに変えられるほど、月森さんの中には引き出しがたくさんあるんですね。

    そうか、月森さんの推敲は、なんというか、カットし終わった宝石を丁寧に磨いていく感じですね。どこから見てもキラキラして見えるように、ここを磨き、あそこを磨き……みたいな。職人技のようですね。

    あと、もうひとつ聞いていいですか?
    小説学校に行っていたっておっしゃってましたよね。それは、どれくらい通われてたんでしょう? どんなことを指導してくるんですか? そして、そこで身に付いた必須スキルみたいのってありますか?

    ちまちまとすみません。後から気が付きました。




  • 小説学校は1年か2年。当時は「日本文学学校」という名前で、私の先生は「塩見鮮一郎」さんでした。

    主に読み合いで、そこで先生が解説する感じで、サークルみたいなところでした。全部で10人いるかいないか、ですね。

    一番言われたのは推敲の大切さですね。推敲の足りないものを出すと、「こんなもの、人に読ませるな」って怒られました。あと、「常に読者のことを考えろ」、ですね。「読者が、汗水垂らして稼いだ金を財布から出して本を買ってくれる。それがどれほど大変で、ありがたいことなのかを常に考えなさい」ということですかね。

     スキルのようなものは教えてもらったことはないです。
  • 自分では「粘土細工」を作ってる気持ちでしたが、「宝石」なんて言ってくださってありがとうございます! うれしい!
  • 塩見鮮一郎さんという方を私は存じ上げなかったのですが、調べてみるとすごい重鎮の方ですね! じゃあ、プロフィールには「塩見鮮一郎の薫陶を受け……」って書かなきゃですね。

    「読者が、汗水垂らして稼いだ金を財布から出して本を買ってくれる。それがどれほど大変で、ありがたいことなのかを常に考えなさい」

    これはプロを目指す上では基本的な心構え、自分の文章を商品として見る視点が必要、ということですよね。自分の身を削って創り出した文章に、そんなドライな視点を持つというのは難しいことですが、それを教えてくださる良い先生に巡り合ったのですね。

    月森さんは、御本人も作品も宝石みたいにキラキラしてますよ……。陰キャの私からすると眩しいくらいです笑

    お忙しいところ、お時間を割いて質問に答えてくださって本当にありがとうございました。近日中にアップします。快く引き受けていただいて深く感謝いたします💐🌷🌸


  • いえいえ。

    ただし、先生からは「ぼくの名前は出さなくていいから」って言われてますので、そこだけはお願いします。書いてから「あ、やべ」って思ってしまいました。(笑)。

    そうすることで私がコネを使った、って思われるのがイヤみたいです。実際には、使ってないんでこんなに長くかかってしまったんですが(笑)
  • ただ、先生の言葉を伝えたかったというか。自分で答えを見つけるまで、根気強く待ってくださる方で、本当に尊敬しています。素晴らしい方です。
  • 日本を出てからずっと音信不通になっていたのですが、やっと探しあてたんです。

    受賞の連絡をしたら、喜んで下さいました。「川崎君」を読んで、「上手くなったね。よく頑張ったね」と、言ってくださいました。

    泣きました。
  • いいお話ですね……。
    お名前の件、了解です。出さないようにします。👍
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