壱単位(いちたんい)と申します。
近況ノートを書くのは初めてです。
というより、カクヨムを使いはじめてまだ数日、初心者とも言えない泡沫アカウントです。
幼い頃から文章をつづるのが大好きでした。得意科目は国語、社会。小学校では地域の感想文コンクールで入賞の常連です。中学生のときは仲間うちで回し読みをし、学校内で一大「わたしブーム」を起こしました。高校は漫研に所属し、部長でありながら漫画はあまり書かず、片隅でものがたりを綴り続けておりました。
その後はいろいろあり、小説どころか創作活動に一切関われない日が続きます。特に近年は家族の療養もあり、他の趣味すらほとんど中断状態でした。
でも先日、お皿を拭いているときにふと、エルレアが動き出したんです。
◇
エルレアは、わたしのお話の主人公。輝いていて、靭くて、でもとても弱くて、護りたい相手にどこまでもまもられる女性、わたしとはまったく違う存在です。
わたしのどこにいたのか、と思いました。ずっと創作はおろか、ほかの方が書いた小説、そもそも商業出版の単行本すらほとんど読む機会がありませんでした。オリキャラが育つ地盤はわたしのなかになかったはずです。
お皿をがちゃんと置きました。あんまりきれいに拭き取れたなかったと思います。ちょっと手が震えてました。えっ震えてるのってなりますよね。わたしもです。ひきました。なんで、なんでいまごろ……。
エルレアは、いちども見たことがない、でもいつも見ていた大きな笑顔でわたしに言ったのです。
ここから出して。
わたしを、あなたのそばで歩かせて。
その夜、カクヨムっていう、みなさんご存知かわからない某サイトを開いて、アカウント登録をして、勢いで第一話を投稿して、あとからあらすじを書いて、さらに辻褄があわなくてプロローグで集約しようとして。
そうしたらエルレアが笑ったんです。
なにそれ、わたしそんな感じ?
栗色のながい髪をふわっとかきあげて、そういって、わらったんです。
◇
わたしが本当にほしいものは、エルレアがいる人生。
エルレアが動いてわらって、泣いて、仲間とふつうに冒険して普通に魔王を倒していつもどおり世界を救って、いつものようにごはんをたべて、うごいて、笑って。
そうしてさいごに、わたしと一緒に故郷にかえる。
そんな人生。