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KAC2022振り返り&長編の予告

社会人2年目突入で湧いてきたぜ……仕事も小説も大事に決めていきたい市亀でございます。
KAC2022、11作完走&全作百合達成できましたので、恒例のあとがき兼セルフライナーノーツです。

(前回はこちら
https://kakuyomu.jp/users/ichikame/news/1177354054889123817

当然、作中のネタバレはしますので、事前情報なしで読むのがマスト、という方はご注意ください。ただ僕はあらかじめネタ明かしをすることで「そういう話なら読んでみようか」と思ってほしい、という考えで書いています。ので、未読の方にこそ読み進めていただきたいです。

また、作品についてはコレクションにまとめています。
https://kakuyomu.jp/users/ichikame/collections/16816927861621705462


①復仇の双刃
https://kakuyomu.jp/works/16816927861229751417

今回最大のシリアス。
お題は「二刀流」だったので、剣士が戦う話にしようとはすぐに決定。
そのうえで、二刀流で戦う理由を物語に組み込もうと考えました。結果、自分と親友を刺した刀の両方で、敵に復讐する話になりました。

戦術的にも「二振り目を隠しておくことで不意打ちができる」を思いつきました。さらに掘って「治癒能力によって、あえて斬られて油断させることができる」「治癒能力のせいで、友と一緒に死ねなかった」を発想。

そして、最初は敵の視点にすることで、忍者に二刀流で対応する侍の話だ……フェイントをかけることに。内容と構成がメタ的にも合致して、いい短編になったかと思います。狂戦士タイプの女子を描けたのも良かった……それにしても暗い話ですね。


②女オタオタ女・特撮編
https://kakuyomu.jp/works/16816927861335081418

評判よくて嬉しかったです。お題は「推し活」。
女オタオタというのはネットスラングですね、同じクラスタの女オタクに(主として迷惑な)アプローチをかける男オタクのこと。基本的には蔑称、非難や注意喚起の意味合いで使われることが多いのでは。
そこから派生して「女オタオタ女」と題して女オタクどうしの百合を書きたい……という構想が以前からあったので、今回で実行です。

推しに夢中なオタク×そのオタクに夢中なオタク、というカップリングをやりつつ。あるコンテンツに対する感性が全く違う二人の話にもしたかったので、特撮ネタにしました。元ネタは仮面ライダーシリーズです、人によって語り方が全然違うな~と前から思っていたもので。僕はどちらかというと理乃タイプかな……理乃の冷静さと熱狂のギャップ、書いていて非常に楽しかったです。デレ×ツンと思いきや、デレ×デレデレだったという二重性も可愛い。


③「視えた! いまキミは、ウチを抱きしめたい~って熱望して」 「ねえよ」
https://kakuyomu.jp/works/16816927861483165140

会話をそのままタイトルにするのは初かな?
お題は「第六感」ということで、エスパーでもなんでもないけど「視えた!」と主張する女の子に来てもらいました。

こういう温度差ペアいいよね、に尽きます。拙作Rainbow Noiseシリーズの詩葉&結樹も近いですが、彼女たちの間にはシリアス成分も多かったので、ライトに振り切ったやり取りが描けて満足。瑠美花ちゃん、書いてるぶんには可愛いですけど、毎日相手してると……さすがに、ちょっと、うるさいかな……いや可愛い!!


④【新番組】魔法笑女☆スマイルンルン
https://kakuyomu.jp/works/16816927861550963680

お題は「お笑い・コメディ」でした。詳しくなさすぎて困ったジャンル。
お笑いにまつわるフィクションに関わる人の話にしつつ「あらすじだと思ったら企画書で、しかもジョークだった」という構成にしました。コント的な伏線回収にトライしてもみましたね、上手くいったかは微妙ですが……

今期からプリキュアを観ていることもあって、魔法少女ネタの多い最近です。魔法少女と敵の女幹部の百合、ちゃんと作ればすごく良いと思うんですよね。もうありそうですし。


⑤恋文は空色に溶けて
https://kakuyomu.jp/works/16816927861621544198

お題が「88歳」だったので、高齢の女性を主人公にすることはすぐに決めました。ラブレターの形にしつつ、どんな相手なのかを徐々に明らかにしていく構成。他の誰も知らない、けど確かに存在していた女と女の愛です。
手紙ということで、意識していたのは「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」です。こういう文章で人の心を掴めるかが勝負所だと考えている作家なのですが、成功していたでしょうか……

昨年の「21回目」もそうでしたけど、数詞ネタは困るんですよね……その数字である理由をちゃんと入れたいと考えてしまうので。そこで今回は「88歳=末広がりの八が並んでいる」を持ってきて、それをカップルにも重ねました。


⑥あの怪鳥、めちゃウマ伝説だから狩ってきて?
https://kakuyomu.jp/works/16816927861679923170

お題が「焼き鳥」だったので、鳥系モンスターを狩るモンハン的な話にするのは即決。
女子バディで挑めば百合にもなるのですが、あまりにもモンハンなのも芸がないので、(新作アルセウスをプレイしていたこともあり)ポケモン的な召喚獣モノに。ネーミングは和風にも寄せました。

そして語り手を隠密キャラにし、三人称と思いきや一人称に……というメタ的な演出を試みました。発想は悪くなかったと思うのですが、練りきらないまま投げてしまった感があります。締め切り前日に眠くなりながら「えい!!」で書いちゃってたんですよね……ねじ込むようにいちゃつき百合を入れて締めました。


⑦私の一番の友達、返してもらうんだから
https://kakuyomu.jp/works/16816927861723959696

お題は「出会いと別れ」だったのですが、素直に離別の話にするのも違うな~と悩み。「二人の出会いが、第三者との別れにつながる」という構図につなぎ、男子に引き裂かれそうな百合にしようと発想。
そこから、「じゃあ嫉妬に狂って男子をボコりにいく女子の話にしよう」と考え、途中で「魔法少女ネタいけるな?」になりました。デパプリのこと考えてたら、サプライズニンジャ理論を経由してつながったような?

魔法少女モノは詳しくないんですけど、一般人の友達が敵に狙われて闇堕ちするパターンは割とある気がします。魔法少女ネタであることは伏せつつ、巻き込まれた側の視点で話を進め、「実は魔法少女の話だった」を明かしつつ二重のタイトル回収……という、コンパクトに面白い流れに出来たかなと。ジャンル転換をオチにできるの、こういう短編の武器ですよね。


⑧私は、君は、ソウルガーディアン!
https://kakuyomu.jp/works/16816927861778675208

作者としては一番のお気に入りです、同時に、視覚障害にまつわる描写が当事者に失礼じゃないか、心配になる一編でもあります。

お題が「私だけのヒーロー」だったので、互いの存在が無二の救いとなるような関係性を描くことにしました。そこで思い出したのは、拙作『きみのせかいを変えたくて』で登場した野草花織さん。
花織は外見のせいでずっといじめられていた過去を持つ女性で、人付き合いはとても苦手です。その一方で、アマチュアながら卓越したスキルを持つ小説家であり、花織の小説に救われた女性(灯恵)が『きみせか』の主人公となっています。
では、花織が灯恵と出会う前、どうして小説を書くことにのめり込んだのか……と考えてみたとき、それを求められる出会いがあったのではと気づき。その案を掘っていくと、視力に障害を持った女の子のことが浮かびました。

最近、コンテンツのバリアフリーやアクセシビリティについての話を聞くことも多いのですが、その一つの形としてオーダーメイドがあると思うのです。その障害者にとって一番いい形を、専属の作り手が供給するスタイル。それを子供どうしでやる話があってもいいのではと思いました。同時に、外見でいじめられている花織にとって「顔を見られない」ことは一つの救いかなとも考えまして……もちろん、健常者が障害を都合よく利用するのは良くないのですが、ある意味では救いになるという構図は描いてもいいかなと思いました。何か欠落を抱えたどうしの救い合い、僕がずっと追いかけているテーマです。

加えて、ヒーロー作品の意味をしっかり考える一編でもありました。僕はどちらかというと、記号的な・アピール感の濃すぎるポリコレ要素はあまり好きではないのですが。一方で「同じ属性のキャラに重要な活躍をしてほしい」という声の反映は真剣にやるべき……とも考えているので。
心美にとって一番「いてほしいヒーロー」を花織が書くことが、そうした思考の表れだったりします。

『きみせか』は単発の短編として書いたのですが、二人のキャラクター性はかなり気に入っていまして。他の長編にも参加しはじめたりと、いい活躍を見せてくれています。


⑨みゃあみゃあ〈我輩は元勇者の猫である〉
https://kakuyomu.jp/works/16816927861875672686

お題が「猫の手を借りた結果」だったので、じゃあヒト語を理解する猫の話にしようと決め。
そこから、「生まれ変わるなら猫がいいって話、割と聞くなあ」「猫に生まれ変わる前は勇者とかにして、スローライフっぽくしよう」「そして悪役が猫にメロメロになって解決する話かな」……というように、すぐに流れがまとまりました。

冒頭の魔王決戦パートは完全にFateシリーズのパロディ。
その後は、ひたすら「相棒にしか意味の通じない猫の声」という設定で遊ぶだけの話です。すごい楽に書けたな……
彼女たちの背景まで考えると辛そうな話でもあるんですが、「まあ二人で幸せなら良いよね」と開き直れるのも百合の強さだと思います。


⑩百合に挟まれそうなゴリラなんだけど、どうすればいい?
https://kakuyomu.jp/works/16816927861913309045

「真夜中」というお題と、ぬいぐるみの話を聞いていた記憶がつながって、「持ち主が帰ってきた夜に、ぬいぐるみが見ている景色」というネタが浮かびました。
(ちなみにぬいぐるみの話は、映画監督・脚本家の三宅隆太さんの『スクリプトドクターのサクゲキRADIO』からです。じっくり創作論を聞けるいいポッドキャスト番組ですよ)

百合で重要なテーマの一つが「観測者」概念。人間としては認知されない存在が人格としてみなされ、百合に巻き込まれていく話も面白そうだなと考えて書きました。
大体オマージュだけで説明できる話です。
意識のある物体という点はアニメ映画「トイ・ストーリー」や、小説「月王子」(鈴木おさむ)からですし。
百合に挟まれる女ネタでいうと、小説「百合に挟まれてる女って、罪ですか?」(みかみてれん)ですし、観測者ネタでいうと小説「観葉植物になって百合カップルのイチャラブ生活を見守るお話」(みかみてれん)ですし……みかみ師匠……

加えて、百合とは正反対の語感を持つゴリラを起用。ぬいぐるみゴリラはギュっとしたくなる可愛さがあると思います。


⑪学生百合と観測者のための独白三重奏
https://kakuyomu.jp/works/16816927862020297580

お題が「日記」だったので、同じイベントに居合わせた人たちが、それぞれ全く違う印象を抱いている……という話を書くことに。
どんどん感情を巨大にしていくの、書いていて楽しかったです。百合オタクの語彙は身近なので出てくる出てくる……真紀みたいなノリの子、もっと書きたいですね。独白系の文章で狂いを滲ませていくのが好きです。


そしてKACに続き、エイプリルフール短編も書きました。
魔装騎士メイディ×リリィ
https://kakuyomu.jp/works/16816927862081664027

カクヨムコンにも出していた長編『彼女と彼女、と彼の恋詩』のスピンオフというか、妄想全開ネタというか……百合キスで戦う魔法少女コンビの話です。趣味とテンションだけで書きました、脳のネジをゆるくしてお読みいただければ。


という訳で計11+1作品、百合で推し通したひと月でした!
短編を仕上げるスピード、初めてのKACに比べればかなり上がってきましたね。こだわるポイントの多い長編でも、このスピードを活かしていきたいところ……大事なシーンでじっくり腰を据えるためにも!

さて。
先日にちらっと予告した、Rainbow Noiseシリーズ完結編「最愛なる小説家への恋文」についてです。
今月末から、毎週1章ずつ更新していこうと考えています。章あたり3~5エピソード、1万文字前後です。集中して毎日読んでもらうより、週ごとに読んでもらう方が良い作品かなと思っております。

途中で別作品(次回のカクヨムコン用)にシフトしそうではありますが、区切りのいいところまでは毎週更新できればと考えております。完成の目処がついてからの公開にすべきかとも思ったのですが……そろそろ前半だけでも読んでほしいなという気持ちに逆らえず……

またお知らせしますね、みなさんお元気で!

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