長いこと執筆していました「Rainbow Noise -雪坂高校合唱部-」ですが、先ほど完結を迎えました。細かい修正などはチェック中ですが、ひと区切りです。
狙った訳ではないですが、入社式の前日に完結したのも面白いタイミングでしたね。キャラもテーマも文章表現も、僕の学生時代の決算のようなものですし。
遡ること4年前、「オリジナルを書いてみよう」と踏み切ってカクヨムに初めて投稿したのがこの作品です。まさかここまで長くなるとは思っていなかったけれど、こんなに楽しめるとも思っていなかった、思い出深い作品になりました。
何より、読んでくださる方が、彼らを応援してくださる方がこれだけいるとも思っていなかった、というのが大きいですね。
そもそもの話、色んな意味で変、というかいびつな作品でして。各パートごとに人間関係の変化と活動でのチャレンジが設定されているとはいえ、分かりやすい起承転結も序破急もないし、キャラも視点も多すぎるし、読まれやすさ・人気の出やすさをの真逆を爆走するようなシリーズだったと自覚しています。自覚するようになってきた、の方が正しいですね。このシリーズを書きながら小説の書き方を見つけていったようなものなので。
とはいえ、これだけ入り組んだ作りにしたことは後悔していないです。技量がいくら足りなかったとしても、やろうとしたことには満足できている、という意味で。視点の広がりが身につくという意味でも、ただ楽しかったという意味でも。
音楽系の部活をしていたけど、上手く向き合えなかった。
大好きで大切な女の子と、苦い別れ方しかできなかった。
そんな後悔から始まった話です。希和には自信を持ってほしかったし、詩葉には幸せになってほしかったし、陽向は巡り会ってほしかったし、みんなが活躍する部活の話を書きたかった、そこがスタートでありゴールでした(KAC10作目を引きずっている顔)。
部活面は「受賞ガチ勢とはちょっと違う、変わったチャレンジ」で済みそうなのですが。セクシュアリティにまつわる話は、書いている間に随分と現実のムードが変わってきたな、とも感じます。概ねは良い方向に。書き手としては迷う方向も、部分的には。
どんな立場の人に向けた話です、というつもりはないです。僕は僕なりに、自分に近い目線で祈りを込めました、というだけです。
それでも、どんな立場の読者様であっても、世界が温かく見えるきっかけになってくれたら幸福だな、と思います。
そんな、エンディングらしい話をしていますが。
Rainbow Noise、続きます。最後のエピソード「Preview」でも触れましたが、サブタイトルは「Lasting Love Letter」の予定です。LLL編、になるのかな。紡の視点で、高校時代の希和との交流と、その後の雪坂メンバーとの関わりを描く、そんな話です。
失恋や葛藤も多かったとはいえ、概ね優しい世界だったのが高校編なのですが。LLL編はシリアスでビターな雰囲気が強いです、人間関係の痛みの濃い部分がついて回る話です。
けど、その分だけ、日々を生きるエネルギーになる作品だとも考えています。分量は10万文字くらいを予定しているので、今年じゅうにお届けできたらいいな……ちなみに書きあがってから一気に公開する形でいくので、更新頻度はしばらく落ちますね。
そして。高校編を一冊に再構成+Web版とは別のエンディングを追加した書籍版を作ろうとかも準備中です。こちらもまたお知らせしますね。
改めて。読んでくださった皆様、ありがとうございました。彼らがあなたと出会えたこと、人生で一番嬉しいことの一つです。
完結を機に読みはじめてくださるという方、いるか分かりませんが、お楽しみいただけますように!
関連作や裏話もコレクションにまとまっていますので、そちらもご覧いただけると幸いです。