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海外SF紹介【1:「たった一つの冴えたやりかた」ジェイムズ・ティプトリー・Jr.】

私の世代だと、SFと言えばほとんど海外ものでしたが、最近はSF以外でも海外小説は人気がなくなり、見かけなくなりました(翻訳の問題もあるでしょうが)。これは広い意味で、明治維新(欧米への畏怖と憧れ)が終わったと言えるのかもしれません。新ジャパンカルチャ―の到来?これは良い面もあるでしょうが、あまりにも内向きかもしれません。海外SF作品を、あまり知らない皆さんも多いかと思い、海外SFの紹介を始めようと思います。
【1:「たった一つの冴えたやりかた」ジェイムズ・ティプトリー・Jr.】
ジェイムズ・ティプトリー・Jr. は、本格的ハードSFの女性作家で、評価は非常に高いです。Jr. と名乗っていますが女性です。いかにも男性的で、リアリティーの高い作風です。しかし「たった一つの冴えたやりかた」は女性的でファンタジー、コミック風、ライトノベラと言っても通用するかと思います。主人公の少女は健気で、悲劇的な状況でも明るく振る舞い続けます。けれども最後は圧倒的に悲しく(でも、さわやか、かも?)、読み終わって「泣かなかったら、人間じゃない」とも(後書きに)言われています。確かに思い出しただけでも目が潤んでしまいます。内容は詳しく書きませんが、雰囲気は萩尾望都の作品風か?? 海外作品は廃版が多く、これも中古でしか手に入らないと思いますが、絶対にお勧めできる作品です。

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