はい。いつもお世話になっております。というか連投になってしまってすみません。
この新シリーズ『かたる』は、岩井が勝手に商業作品(主に映画)について語るだけです。
もし『あ、それ俺も好きなんだよ!』という方、いらっしゃればご一読いただけると幸いです(^^)
ネタバレを含むかもしれませんので、ご注意ください。
第一弾は……これだッ!!↓
『機動警察パトレイバー2 the Movie』(1993年/監督:押井守/評価:135点)
【概要】
和製アニメーション映画。人型大型機械『レイバー』と、それに伴う犯罪を取り締まる警察機関『パトレイバー』が共存する近未来(ただし作品設定は2002年)。
度重なる情報攪乱テロにより、政府は自衛隊に東京の治安維持命令を下す。戦車が走り、ヘリが飛び交い、自動小銃を抱えた自衛隊員が闊歩する冬の東京。そんな中で、主人公たちを翻弄するかのように『敵』は都内情報網破断のため、武力行使を決行する。
『敵』の正体と目的とは。そして主人公たちは『敵=犯人』に辿り着くことができるのか。
【レビュー】
渋くて頭を使う、それでいて圧巻の映像を堪能できるとんでもない映画である。
派手な映画ではない。いくら戦車が出てきても、発砲しないし銃弾が飛び交うこともない。厳密には、これは『戦争』ではなく『大規模テロ』なのだ。
特筆すべきは、作品全体に漂う『緊張感』。これは他作品の追随を許さないものがある。というのも、決して緊張してばかり、というわけではない。ギャグパートも存在する。要は『心地よいレベルでの緊張感』が、鑑賞者の心を捉え続けるのだ。
また、その写実的な、しかしアニメでしかできない映像の描き込みは、ガンダムやジブリといった作品とは一線を画すレベルである。
地味で飽きてしまう人もいるかもしれない。あまり受け付けない観方をする人もいるだろう。だが、東アジアの現在の状況を鑑みるに、この映画は一見に値する。戦争とは何か、平和とは何か、現実とは何か――。
岩井は映画オタクを自称しているわけだが、『完成度の高さ』で言えば間違いなくこの作品が一番である。
お暇な方は、是非。