📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
(「第4回一二三書房WEB小説大賞/コミカライズ賞(コミックポルカ)」受賞)
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346+++++
🎬「ハリウッドよ、これが異世界ファンタジーだ!」✨
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📖「第626話 刺激を与えて反応を見よう。」
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16818093089216016521📄魔術教師としてのマランツは、ネルソンたちが想像したよりも魔術師協会員に名前を知られていた。かつての弟子たちがそれぞれの場所で活躍した結果だった。
「マランツ一行」による魔術師協会との交流会は、揉めることもなく円満に受け入れられた。
今回の旅は|呪《まじ》タウンまでの短いものだった。旅人の顔ぶれがマランツ、ドリー、ステファノの「魔法師チーム」だったため、今回は滑空術で飛んできた。
馬車なら2日かかるところを1日で到着できた。
「やはり空の旅は早いが、それなりに疲れるな」
背中に手を回しながらドリーがぼやいた。3人は呪タウンの宿屋に落ち着いたところだ。マランツの部屋に集まり、夕食前のひと時を過ごしている。
「まったくじゃ。儂は荷物の身分だから贅沢を言えんが、高さに身がすくんで体がコチコチになるな」
マランツはステファノに抱えられて飛んできたのだ。落ちないと聞かされていても、緊張せずにはいられなかった。
ドリーは自力で滑空してきたが、まだまだ経験が足りていない。魔法とは「力」を使うものではないとわかってはいても、体のあちこちに無駄な力が入ってしまうのだ。
1人疲れを見せていないのはステファノだった。
「慣れれば歩くよりも楽なんですけどね。なあ、|雷《いかずち》丸?」
「ピー!」
アンガス雷ネズミの雷丸も、今回は空の旅を楽しんできた。
「お前たちと一緒にされても困る。それよりも明日の段取りを相談しておきたい」
ドリーにしてみれば王立騎士団に引き続き二度目の「対決」である。どんな流れで話し合いが進むのか、一応把握しておきたかった。
今回の交渉窓口は魔術師協会とのつながりが一番太いマランツに努めてもらうことになっている。彼がどう話を始めるかでその後の展開が変わるだろう。……
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お楽しみください。