📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
(「第4回一二三書房WEB小説大賞/コミカライズ賞(コミックポルカ)」受賞)
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346+++++
🎬「ハリウッドよ、これが異世界ファンタジーだ!」✨
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📖「第617話 これが一番手っ取り早い調査方法だろう。」
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16818093087954119052📄「何だか頭の悪い話になってきたね」
マルチェル、ドイル、ドリーの3人は練兵場にいた。
議論の決着は戦ってつけるべしという、いかにも武ばった話の流れにドリーが流されてしまった結果である。
「こういうのは『フィールド・ワーク』とは呼べないんだがねぇ」
荒事を嫌うドイルは口をとがらせてぼやいていた。
当事者のドリーは何やら張り切っている様子で、ほおを紅潮させながら既に体をほぐしている。
「|魔動車《マジモービル》の旅で体がなまっていたからな。手合わせできるとなれば願ったりかなったりだ」
アカデミーの教官を務めていたドリーは議論ができないわけではない。しかし、剣技に関わることとなれば百の議論よりも実際に剣を交えた方が早いと考えていた。
その点ではシュルツ団長と思考が近いのだろう。
小隊に分かれて訓練していた騎士たちが伝令を受けてぞろぞろ集まってきた。それを見て首を回し、手首を伸ばし始めたのは立会人のはずのマルチェルだった。
ドイルがあからさまに顔をしかめた。
「いいかね。2人とも、ここへは調査のために来ているということを忘れるなよ?」
「もちろんだ。これが一番手っ取り早い調査方法だろう」
開き直ったドリーの言葉に、「うんうん」とマルチェルが頷いた。その様子に、ドイルは唇をへの字に結んで天を仰いだ。
「整列!」
副団長らしき人物が号令をかけると、団員が一気に集結し隊列を作った。その機敏さと行動の規律は、さすがは王立騎士団と思わせる見事さであった。
「団長に対して、傾聴!」
副団長の号令に合わせて、シュルツが隊列の前に進み出た。
「休んでよし」
「休めっ!」
団員総勢約200名の注目がシュルツ団長に集まった。……
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お楽しみください。