• 異世界ファンタジー
  • 詩・童話・その他

📢更新しました。累計915万PV突破の「🍚🥢飯屋」。

📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
(「第4回一二三書房WEB小説大賞/コミカライズ賞(コミックポルカ)」受賞)
🌎https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346

+++++

🎬「ハリウッドよ、これが異世界ファンタジーだ!」✨

+++++

📖「第601話 スノーデンには記憶がない。」
🌎https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16818093085660696165

📄「神の光」――スノーデンが受けた啓示はそう受け取れるものだった。服も鎧も貫き、体の内部にまで届く天上の光。それをこの地上に再現するのだ。

 そのためには|意志の欠片《イドン》を限りなく加速してやらなければならない。神の意志は目には見えぬ細かき粒子として、この世界に満ちている。神器はそれを加速することにより人体内部に送り届けるのだ。

 完成すれば神器はドーナツ状の回廊「神の輪」を土属性魔術で創り出す。|意志の欠片《イドン》はこの回廊の中をぐるぐると周回し、限界まで加速されるのだ。
 やがて頭頂部に冠として授けられた「神の輪」から、人間の体内に|意志の欠片《イドン》が降り注ぐ。

 |意志の欠片《イドン》を体内に授かった人間は、神の意志を引き継いで「より高き存在」に生まれ変わるのだ。

「俺も神の意志を引き継いだ者の1人なのか?」

 スノーデンには記憶がない。だが、自分とジェーン以外の人々に魔術が使えないことは知っている。自分は|意志の欠片《イドン》を授けられたことによって、魔術に覚醒したのかもしれない。
 証拠はないが、それが一番あり得そうな状況だとスノーデンは推測していた。

 全国各地の分教会で「神の光」を人々に与えるには、神器を数多く作った方が良いのか? スノーデンは頭を悩ませた。

「神器を独占したいという欲はないが……数を増やせば混乱が生じるだろう」

 神器がスノーデンの手の中にあるうちはいい。一軍に勝る武勇のスノーデンから神器を奪い取ろうとする愚か者はいないだろう。しかし、全国の分教会に神器をばらまいたとしたらどうだ?
 それを奪い取ろうと考える者が必ずや出てくるだろう。

「効率が悪いが、やはり俺が国中を回った方がいいだろうな」

 スノーデンの独り言をジェーンは黙って聞いていた。
 統治委員会から派遣された付き人。それがスノーデンの前に現れた時のジェーンの肩書だった。

 記憶を持たない自分のことを支える世話係だと、スノーデンは初め理解していた。それは間違いではなく、いまもジェーンに身の回りの世話を任せている。
 しかし、ジェーンは単なる家政婦や秘書ではなかった。……

+++++

お楽しみください。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する