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📢更新しました。累計910万PV突破の「🍚🥢飯屋」。

📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
(「第4回一二三書房WEB小説大賞/コミカライズ賞(コミックポルカ)」受賞)
🌎https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346

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🎬「ハリウッドよ、これが異世界ファンタジーだ!」✨

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📖「第599話 ふん。つまりは動力か。」
🌎https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16818093085412366144

📄「魔法的現象を科学で再現するにはどうしたらよいか?」

 教育者である前に研究者だと自認しているドイルは、自身にそう問いかけずにはいられない。科学は万能であると、この男は信じていた。
 科学の振興こそが貴族制度というバカげた社会システムを破壊する鉄槌なのだと。

「ステファノとヨシズミのおかげで魔法現象のメカニズムを随分知ることができた」

『風魔法は風を起こす魔法ではない』
『水魔法は大気から水を取り出している』
『火魔法とは|燃気《水素》と|清気《酸素》を水から取り出すことから始まる』

 実際に魔法を行使する人間たちの言葉である。時に実演を伴って、ドイルは属性魔術の発動プロセスを取材することができた。

「ステファノは正しい。この世に属性魔術などというものはない。結果たる現象に属性という分類を与えたにすぎない」

 風、水、火、雷の4属性は大なり小なり「熱」の操作が術の根幹にあった。
 大気を熱し、あるいは冷やす。それは物質の振動を操ることである。

「振動という現象は物質の根本に近い所にある。振動は『波』を伴う。光も|土《引力》も『波』という性質に分類できる」

 ドイルの並列思考は魔法現象の科学化が実現した世界を仮想する。科学は何を変えるべきか?

「熱の制御……ステファノは魔冷蔵庫、魔暖房、魔冷房を魔法具化した。煮炊きも魔|竈《かまど》で可能になった」

 魔法に頼らず熱を加えることは難しくない。燃料を燃やせばよい。今でも薪を燃やし、炭を燃やしている。
 しかし、不便だし、効率が悪い。

 燃料の入手、運搬に労力がかかり過ぎている。

「どこにでも燃料を運ぶ仕組みがあればいい。運びやすいのは液体か? ならば油をパイプに通して運んだら? 経路が長くなると圧力をかけるのが大変か? 気体ならどうだ? 燃焼性のガス――」

 ドイルの脳は夜空に閃く雷光のように、発想の数々を生み出し、爆発的に増殖させていった。……

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お楽しみください。

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