📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
(「第4回一二三書房WEB小説大賞/コミカライズ賞(コミックポルカ)」受賞)
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346+++++
🎬「ハリウッドよ、これが異世界ファンタジーだ!」✨
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📖「第584話 酒を飲む奴は全員馬鹿に決まっている。」
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16818093083205375317📄「勝手はお互い様だ。学友に断りもなくアカデミーを辞めてあだ討ち旅に出たのだからな、お前は」
「……酒など要らん」
「それでは残念会にならん。いいからつき合え」
渋るクリードに、ドリーはグラスのワインを押しつけた。
「酒の飲み方など知らん。飲んだことがない」
「奇遇だな。わたしもだ。知らん同士で飲み比べだ。まさか逃げんよな?」
「何をくだらん……」
ぶつぶつ言いながらクリードはグラスに口をつけた。
「ははは。しみったれた奴だ。酒とはこう飲むもんだ」
「おい!」
クリードに見せつけるように、ドリーはグラスのワインを一気に飲み干した。
「ふう、わたしは飲んだぞ。お前はどうする?」
「何を、こんな物」
2人とも食事酒としてワインを飲むことがあるが、がぶ飲みしたことはない。それでも飲みなれたワインには抵抗感がなかった。
たちまち瓶1本が空になる。
「よし! グラッパを持ってこい!」
「おい、ドリー!」
グラッパはワインを作る際に出たブドウの搾りかすを原料にした蒸留酒だ。アルコール度数がワインの4~5倍ある強い酒であった。
「うじうじするな! そんなことだから、かたきを討ちそこなうんだ!」
「お前、いい加減にしろ!」
「本当のことじゃないか! いいから飲んで、何もかも忘れてしまえ!」
「ドリー、お前……」
クリードは目の前のグラスに縁まで注がれたグラッパを、じっと見降ろした。覚悟を決めるように顎を引くと、グラスを口に運び、一気にあおった。……
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お楽しみください。