📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346+++++
🎬「ハリウッドよ、これが異世界ファンタジーだ!」✨
(「第4回一二三書房WEB小説大賞/コミカライズ賞(コミックポルカ)」受賞)
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📖「第582話 奴は――トゥーリオは苦しんだか?」
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16818093082875819190📄『そうですか。クリードさんを見つけたんですね』
『どちらかと言うと、こっちが見つかった』
『それで明日連れて来ると?』
『ヤンコビッチ兄弟討伐の様子を聞きたいそう』
クリードと出会った日の夜、サントスはステファノに遠話をつないだ。ステファノの声には困惑した響きもあったが、この対面を予期していたようにも聞こえた。
『サントスさん、場所を借りて良いですか?』
『うん? うちの店?』
サントスにとってはその方が便利だ。ウニベルシタスまで往復する手間が省ける。
『俺は良いけど』
『少人数の方がいいと思うんです』
『そうか』
クリードがどのような反応をするか予想がつかなかった。動揺して取り乱すのか、あるいは激怒して暴れ出すのか?
何か起きた時周りに人がいない方が良い。ステファノはそう考えた。
『マルチェルさんと俺の2人で行きます』
『わかった。サポリに近づいたらまたかける』
そういうことなんだなとサントスは納得した。マルチェルとステファノが一緒にいれば、何が起きても抑え込める。
2人は討伐の当事者でもある。
『サントスさんは、できれば席を外してくれますか?』
『構わない。聞きたい話じゃない』
悪党とはいえ人間を2人殺したという報告だ。興味本位で聞く内容ではなかった。
『それじゃあまた明日』
『じゃあな、ステファノ』
サントスは|魔耳話器《まじわき》をダブルタップして遠話を切った。……
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お楽しみください。