📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346+++++
🏆「第4回一二三書房WEB小説大賞/コミカライズ賞(コミックポルカ)」受賞!🎉✨
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📖「第576話 それについて相談がある。」
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16818093082041883114+++++
📄翌日、サントスは製作した模型の包みを振り分け荷物にして|驢馬《ロバ》の背に載せた。驢馬が痛がらぬように、背中との間には厚手の毛布を入れてある。
サントス自身は驢馬の手綱を引き、歩いて道を行く。
(別に急ぎの仕事がないから構わないが、俺も|魔動車《マジモービル》が欲しいな)
操縦ユニットを借りられれば、車体は自分で作れる。その方が既存の馬車や荷車をベースにするより、便利なものが作れそうだった。
(普段使い――乗用っていうのかな? 自分が乗るだけだったら小型でいいもんな)
運搬用に使うなら荷車を改造すればよい。
(いっそのこと2つ貸してもらうか?)
そうすれば乗用と運搬用に使い分けることができる。1つの操縦ユニットを目的ごとに載せ換えるのは面倒くさそうだった。
(そういえば馬車って「曲がる」のが大変なんだよな)
山道に差し掛かれば足元を見ながら一歩ずつ足を進めるしかすることがなくなる。サントスの心は自ずと|魔動車《マジモービル》の改良点を洗い出すことに向けられた。
(真っ直ぐにしか進まない車体を無理やり斜めに引っ張って曲がるんだものな。無理をし過ぎると車体が横転する)
そうでなくても、車軸や車輪が傷む。馬車とは小回りの利かない乗り物だ。
(だから「つづら折り」の道は苦手だよな。簡単には曲がれない)
サントスが驢馬を引いて歩くことにした理由でもある。山道で馬車を走らせる運転の技量に自信がなかったのだ。
(|魔動車《マジモービル》にも同じ課題があるな。操作性を良くしなくちゃ)
「小回りの利く走行性能」と、サントスは心のメモに書き留めた。……
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お楽しみください。