📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346+++++
🎬「ハリウッドよ、これが異世界ファンタジーだ!」✨
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📖「第569話 トゥーリオ、お前は逃がさん。」
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16818093081095086087📄ステファノが放ったイドはわずか1秒でトゥーリオたちの下まで到達した。
「捕えろ! |蛇尾《くもひとで》!」
空気を包み込んだイドの塊が生き物のように触手を伸ばした。5本の手でトゥーリオを包み込もうとする。
その動きに伴うID波を察知したのだろう。トゥーリオは驚愕の表情を浮かべて、前方を見た。
身に迫る危険の種類を正確に把握したわけではない。しかし、「何か」が前方から飛んでくるという脅威を全身に感じていた。
「むっ?」
トゥーリオが取った行動はステファノの意表を突いた。
抱え込んで盾にしていたテレーザを、思い切り前に突き飛ばしたのだ。
このままでは|蛇尾《くもひとで》はテレーザだけを絞めつけることになる。トゥーリオを倒すには、もう一度攻撃を飛ばさねばならないが、既に伏兵の存在を悟られた以上奇襲にはならない。
(だめか!)
一瞬弱気になりかけたステファノを更なる衝撃が襲った。
テレーザの体が真横に吹き飛び、入れ替わりにマルチェルがトゥーリオの前に立った。
マルチェルの背中に触手を広げた|蛇尾《くもひとで》が襲い掛かった。
◆◆◆
マルチェルの「邯鄲の夢」にテレーザの未来は映らなかった。
彼女はすでに死んでいたのだ。
マルチェルの襲撃が命を奪ったのではない。
扉に吹き飛ばされて頭を打った彼女は脳震盪を起こして倒れていた。それを引き起こしながら、トゥーリオが首の骨を折って命を絶った。
盾にするなら動かれては困る。死体の方が扱いやすいと考えたのだった。……
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お楽しみください。🙏😊