📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
🌎
https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346📖第543話 そういう時は『縛られても、縛らせるな』。それが極意だ。
🌎
https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16818093077392375696+++++
📄「まずは基本を教えよう。縄抜けとは『縛らせないこと』だ」
流派の極意は初伝にあり。その言葉がここでも正しいとするならば、「縛らせないこと」こそが縄抜けの極意ということになる。
「縛られなければ縄を抜ける必要がないからな。うかうかと縛られる奴は馬鹿だ」
「はあ」
あけすけな言い草に、さしものステファノも押され気味だった。
「ふふ。そう言っても、縄目を逃れられないことがある。押さえつけられたり、気絶させられたり、怪我をさせられたり、刃物で脅されたり」
「人質を取られたり、ですか?」
イドの鎧を持つステファノだが、抵抗を封じられる場面を想像することはできる。精神攻撃もその1つだった。
「そういう時は『縛られても、縛らせるな』。それが極意だ」
ジェラートはなぞなぞのような言葉を吐いた。
ステファノは一瞬俯いて考え込んだが、はっと顔を上げた。
「敵をだませということでしょうか?」
ジェラートは小さく頷いた。
「良い線だ。敵に『縛ったつもり』になってもらうのさ」
縛ったつもりだが、実は縛れていない。その状態を作り出すのが縄抜けの極意だと、ジェラートは言った。……
+++++
🖋是非読みに来てね~!🙏😊