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📢更新しました。累計697万PVの「🍚🥢飯屋」。

📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
🌎https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346

📖第541話 そんなことがあってはならないんだけど……。
🌎https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16818093077095857055

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📄「死刑で死人が出るのは普通じゃありません?」

 怪訝に思ったステファノが問い返した。

「普通は罪人が処刑されて死ぬんだけどね。死んだのは役人なんだ」

 ◆◆◆

『最後に言い残すことはあるか?』
『てめえのツラは忘れねえぜ。あの世で待ってるからなっ!』

 目をぎらつかせて罵る罪人の顔に麻袋をかぶせ、処刑人はその上から首に縄をかけた。
 外れないように結び目を耳の後ろできゅっと締めると、喉を圧迫された罪人がむせてせき込んだ。

 処刑台の後ろで、処刑人の助手が輪胴に取りつけたハンドルを回し、たるんだ縄をピンと張り詰める。罪人がつま先立ちになったところで輪胴に歯止めをかけ、縄が緩まぬようにした。
 準備が整ったことを見届けて、役人は処刑人に死刑執行の合図を出した。

 広場で処刑台を見上げる群衆が静まり返った。

 張り詰めた空気を感じて、罪人が麻袋の中で何事か叫ぼうとしたその時、処刑人が思い切り踏み台を蹴り飛ばした。

『ぐ、ぐぅー……!』

 のどを潰されて声にならない音を発する罪人。後ろ手に縛られた手は動かせないが、支えを求めて両足が宙をさまよう。
 麻袋に覆われた顔面は紫色に変わっているであろうが、幸いなことに人目には触れていなかった。

 見ようによっては滑稽な踊りを踊る姿を見ても、笑う人間は誰一人いない。恐ろしさに目を背けては、思わずまた目を戻してしまう。

 早く終わってくれと人々が思った頃、罪人の全体重を支えていた綱がぷつりと切れた。

 ……

お楽しみください!🙏😊

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