📖第531話 そうか。天秤と名づけたか。
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16818093075675355030📄ステファノは左半身に立ち、杖の先端を真後ろに向けた。石を包んだ革帯が地面すれすれに下がるまで、左手に近い石突き側の先端を持ち上げる。
「色は匂えど 散りぬるをー」
ステファノはギフト「|諸行無常《いろはにほへと》」の成句を詠唱する。投擲という行為に没入するためだった。ステファノにとって成句詠唱は、最早「|魔核《マジコア》錬成」と同義である。ステファノの体内に|高周波化《クロックアップ》されたイドが満ちる。
「んー」
軽く息を吐き「|阿吽《あうん》」の響きを載せながら、ステファノは杖を振った。肉体と長杖、そして|紐《スリング》が1つの存在として同調する。
鍛え上げた速筋が必要な瞬間のみ収縮し、思考速度で杖を加速させる。
残像さえぶれる速度で杖は垂直に立ち上がり、そこでぴたりと止まった。ピークに達した運動エネルギーが石に伝わったところで、杖に挟まれていた紐の先端が解放された。
|礫《つぶて》は地面と水平に紐から撃ち出された。
「|飄《びょう》――」
不定形の石は空気を斬り裂いて飛んだ。その方向は遠的の中心線に載っている。
「ガッ!」
石は遠的の1メートル手前で地面に落ち、勢いのまま跳ね返って遠的が取りつけられた立木の幹を撃った。礫の衝撃で樹皮が細かい破片となって飛び散る。
「ふう。少しだけ石を放つのが遅かったようです」
礫を飛ばした杖を左脚と共に引き戻したステファノは、残心を解きながらネオン師に告げた。
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📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
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