📖第529話 お前、縄を使うのだろう?
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📄ひゅん、ひゅん、とうなりを上げる|紐《スリング》は回転が早まると、「ヒュー」と音が一定になった。
5回転したところで紐が放たれ、ネオン師の手元から石が宙に飛び出した。
そのスピードは素手で投げるよりもはるかに速い。一直線に40メートル先の遠的にぶち当たった。
「これが『|右上天《うじょうてん》』だ。続いて、『|右黄泉路《みぎよみじ》』」
ネオン師は別の石を「|紐《スリング》」に挟むと、体の右横で縦に回した。車で言えば|後退《バック》の回転だ。
右上天同様、「ヒュー」という風切り音が一定になったところで、片方の紐を離した。
最下点で解放された石は、長机を潜って勢いよく遠的まで突き進んだ。
左上天、左黄泉路は今の動きをそっくり鏡に映したものだった。
「以上だ。上天では真横に石が来た時に放てば、まっすぐ前に飛ぶ。黄泉路はそもそもまっすぐしか飛ばない」
「上向きに飛ばすには、上天では旋回させる面を前上がりに傾ければいいんですね?」
「そういうことだ。黄泉路では最下点を過ぎてから離せば、上に向かって飛んで行く」
旋回面とリリースのタイミング。それらをいかに正確にコントロールするかが、「|紐《スリング》」の極意だった。
「上級者が紐を使えば、40メートルの遠的など目の前にあるのと同じだ。100メートルまでは有効射程と言って良いだろう。飛ばすだけなら200メートル以上飛ばせる」
石を小さくすれば300メートル以上飛ばすことも不可能ではない。その場合は殺傷力がなくなるが。
「腕力はあまり関係なさそうですね。先生が言う通り、俺に向いている技かもしれません」
「お前、縄を使うのだろう?」
ネオンはステファノが持ち歩く|長杖《スタッフ》と黒縄「|蛟《みずち》」に目をやった。稽古の間は邪魔にならないよう、地面に置かれている。
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