📖第488話 あんな水魔術はねぇよ。
https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16817330669678959247📕「🍚🥢飯屋のせがれ、🧙♂️魔術師になる。――知力ひとつで成り上がってやる。」
🌎
https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346ご愛読&応援ありがとうございます。🙇
🖋最新話を公開しました。主人公ステファノの活躍をお楽しみください!🙏😊
その時会場にいた人間で、「|魔視《まじ》」の能力に優れた者は空間にこだまする龍の咆哮を聞いた。
|轟《ごう》!
王者の威圧と共に放たれた|奔流《ブレス》は、エトワールの火球を飲み込んだ。その上で、いささかも勢いを減ずることなく、台車に載せられた標的を撃った。
ゴオン!
梵鐘を突くような低音とともに、水魔法が標的を揺り動かす。標的を守っていた氷の鎧は中心部から砕けて、下半分ががらりと崩れ落ちた。
ほとんど間を置かず、むき出しになった標的の胴体に「|蛟《みずち》」が絡みつく。
バリバリッ!
朽ち縄の術が生み出す交流電流が標的に走り、高熱を生んで標的の表面を焦がした。残っていた上半分の氷も溶け落ちてしまった。
「ああっ! 糞っ! 撃ち落としてやる!」
蛟は標的に絡みついて離れない。残りの試合時間の間、ダメージを与え続けるだろう。エトワールにできることは空中を下りて来るステファノの標的を狙うことだけであった。
ステファノとその台車はふわり、ふわりとゆっくり下降している。真っ直ぐ落ちてくる標的はまったくの無防備であった。
「火球! 火球! 火球っ!」
エトワールは続けざまに火球を放つと、最後の一発に合わせて5発の撒きびしを力の限り飛ばした。
彼女は武器に魔力を乗せることができない。火球と撒きびしは別々の攻撃として放たれた。
魔術と物理のコンビネーション。それはそれで、同時に放たれれば防ぎにくい攻撃ではあった。
……