https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16817330668134845288📕「🍚🥢飯屋のせがれ、🧙♂️魔術師になる。――知力ひとつで成り上がってやる。」
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📖第474話 「虎の眼」は、指を締めつけるだけの重りになった。
マランツの魔視脳は焼き切れていた。
度重なる戦の中で「虎の眼」を使い過ぎたために、脳全体がダメージを受けていた。壊れかけた脳が見せる悪夢と幻覚を逃れるため、マランツは酒浸りとなった。
すると、今度は酒が体を蝕み、脳を侵した。
迷える弟子ジローの助けになろうとマランツは非常手段を取った。「虎の眼」で自らにプレッシャーをかけ、強制的に脳を覚醒状態に追い込んだのだ。
弱った脳細胞を無理やりに賦活化し、心気を練り、魔力を動かした。
それによりマランツは往年に近い魔力操作が可能となったが、魔視脳を限界を超えて酷使することになった。
眠っていてもマランツの無意識は活性状態にあり、戦場の悪夢を見せ続けた。
折れた肋骨が飛び出した脇腹。蛆のわいた眼窩。汗と糞尿と、血の匂い……。
自分が出す唸り声で目覚めれば、寝室としてヨハンセンにあてがわれた道場の一室であった。
それなのに、闇の向こうから死にきれない戦友の声が聞こえる。
「痛い、痛い、痛い……」と。
……
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