https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16817330665919080110📕「🍚🥢飯屋のせがれ、🧙♂️魔術師になる。――知力ひとつで成り上がってやる。」
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📕第453話 変化こそがイドの本質である。
しかし、その動きにミョウシンは覚えがあった。「そう来るだろう」と予想していたわけではない。「そう来るかもしれない」という警戒心は、頭の一部にあった。
ステファノの重心が自分のものよりも低いと知った瞬間、ミョウシンは考えるより早く技を切り替えていた。
跳び込んだ勢いをそのままに、背負いではなく、大内刈りに右足を飛ばす。両手はステファノの状態を引き込む代わりに、当たった体の勢いそのままに突き放しに行った。
ステファノは体を左に捻ってこれをかわしたかったが、ミョウシンの左手がしっかりとステファノの右袖を引き込んでおり、変化を許さない。
脱力して腰を落としてしまっているため、ステファノには踏ん張りがきかない。右足を軸に|支釣込足《ささえつりこみあし》を仕掛けることもできなかった。
イドの鎧を背中に厚くして床に倒れる衝撃を吸収し、胸と袖のイドを復活させてミョウシンの組手を外しながら、両足で胴を挟んでミョウシンの体を下から抱え込んだ。
そうしてミョウシンの動きを封じて置いて、ステファノは両足の裏で彼女の腰骨を蹴って海老のように床を滑り、抑え込みの体勢から逃れた。
「参りました。見事なイドの制御でした」