📕「🍚🥢飯屋のせがれ、🧙♂️魔術師になる。――知力ひとつで成り上がってやる。」
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📖第446話 そういう奴はよ、結局やるんだよ。
ダニエルはステファノの足取りを追って旅をしていた。
人と垣根を作らない性格が、話を聞き取る助けとなっていた。
「へへ、うちの店の若いもんが9月頃にこの辺を通ったそうで、ご迷惑を掛けてなけりゃいいなってね」
「去年の9月かぁ。さてなあ。こんな田舎町だ。大きなことが起こればみんな知っているはずだからな」
「何にもなかったってことですかね?」
「さてなあ。4カ月近く前のこととなると、記憶って奴がぼんやりしやがってよぉ」
酒場のカウンターに座った男は、空のグラスに目を落とした。
「こりゃ気がつかなくてすまねぇ。おい、こっちにお代わりを」
「おっ、すまねえなぁ。催促したわけじゃねぇんだぜ? 折角だからいただくとするか」
火酒がなみなみとつがれたグラスを、モーガンという男は口の方から迎えに行く。
ちゅっと音を立てて、グラスから盛り上がった酒を男は吸い上げた。