https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16817330664915154921📕「🍚🥢飯屋のせがれ、🧙♂️魔術師になる。――知力ひとつで成り上がってやる。」
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📖第434話 お前に懐いているわけではないのだな。
「随分と可愛らしい相棒だな」
魔獣学(初級)の講義があった日、ステファノはいつものように第2試射場に来ていた。
「|雷丸《いかずちまる》と言います。魔獣学の授業で先生からもらい受けることになりまして」
「ほう。そいつは魔獣か? 『いかずち』と言うからには雷気を操るのか?」
「お察しの通りです。『アンガス雷ネズミ』という魔獣だそうです」
魔獣の性質上、生きた状態で人目に触れることが珍しい。ドリーもこれほど側で見たのは初めてであった。
「魔獣というから恐ろしい物を想像していたが、案外可愛いもんだな」
「このサイズですからね。人間より大きい種類になると、さすがに恐ろしいんじゃないですか?」
親指ほどしかない雷丸は、あの女生徒でなくともペットにしたくなるような愛嬌があった。
「しかし、つないでもいないのに逃げ出さないのか?」
「俺の魔核が命の綱なので、離れるわけにはいかないようです」
「何だ。お前に懐いているわけではないのだな」
ドリーは冷やかすように言った。