◆咲良理央:転生前
出遅れ系男子。クラスを見回せば見つかるような、普通の(平凡な)高校生。
身長:日本人男性として平均的な170センチ程度。
容姿:黒目黒髪。特に色白でも、日に焼けているわけでもなく、太ってはいないが痩せてもいない。
性格:真面目というか、やや愚直な面と、事なかれ主義に基づく八方美人的な面が共存している。
日常:学校や友人たちに少しばかりの不満がある。
幸せな家庭環境で育ちました。家庭内の女性比率が多かったせいか、年配の女性には優しく、強い女性には逆らえない面があります。
根っこの部分で人間の善性を信じていて、『人生に必要な知恵は、すべて幼稚園の砂場で学んだ』(※)に出てくるような行動理念(生活信条)を持ったまま大きくなった少年です。
それが、異世界転生という殺伐とした状況下で、思いっきり裏目に出てしまった——というのが物語の始まりでした。
そして転生後。
◆リオン・ハイドラ・バレンフィールド・キリアム
身長:この世界の子供の平均的な身長より低い(−2SD辺りで低身長ギリギリ)
容姿:黒髪・碧眼(橄欖石色)・色白、体格は痩せている(一時期よりは改善してきている)。
性格:基本的には同じ。打たれ強くなったかもしれない。前世の記憶からくる内省的な面と、今世の器の影響? からくる、夢を諦めない少年的な面が共存している。
日常:将来は筋肉マッチョになりたくて、日々、頑張って栄養を摂っている。
キリアム家待望の長子で、盟約持ち。
ネグレクトな親に代わって、親族が一丸となって庇護している。精霊紋が出たことで、次期当主として擁立するために、グラスブリッジに転居して当主教育が始まりました。
辛く苦しい改造生活でしたが、アイというナビゲーターの存在が、大きな励ましになっていました。今を乗り越えればいい。成功は保証されている。一人じゃない。だから、頑張れる。そんな風に。
特典がなければ、早々にご退場か、闇落ちしていたかもしれません。実際には、理蟲という仲間も加わって、精神的にも能力的にも安定感が増しています。
この世界には、能力の熟練度的なものや職業の進化はありますが、レベルの概念がないので、レベルアップを続けることにより、無限にステータスが上がるといった現象は起こりません。
また、魔術の行使に重要なのは、極質から魔素への転化能力です。その転化や魔術の構築、魔術操作をするためには魔力が必要ですが、魔力炉のスペックは生下時に決まっていて、毎日魔力を枯渇させても、生み出す魔力量に影響は出ません。
そして、能力は職業や加護、盟約といった形で、人を超越した存在から与えられる。
転生者は、転生職を持って生まれますが、現地の人は基本的に授職式で与えられる職業だけで、加護は宝クジに当たるくらい珍しく、盟約は血統を選びます。
また、義務教育といった制度がないので、誰もが望む教育を受けられるわけではありません。
従って、どんな国のどんな家に生まれたかは、人生に大きな影響を与えます。
転生しているはずの元クラスメイトたち。キリアム家の敵対勢力。家族との関係。
第一部で異世界の歴史の表裏を知り、主人公も、ただ人が良いだけではダメなんだと学習したはず。
第二部では、もっと広い世界で物語が展開していく予定です。
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※以下、米国の哲学者ロバート・フルガムの有名な著作からの引用です。
一時期(既に20年近く前?)、かなり評判になった書籍なので、ご存じの方も多いと思います。
——人間がどう生きるか、どのようにふるまい、どんな気持ちで日々を送ればいいか、
本当に知っていなくてはならないことを、わたしは全部残らず幼稚園で教わった。
人生の知恵は大学院という山のてっぺんにあるのではなく、日曜学校の砂場に埋まっていたのである。わたしはそこで何を学んだろうか。
何でもみんなで分け合うこと
ずるをしないこと
人をぶたないこと
使ったものは必ずもとのところに戻すこと
ちらかしたら、自分で後片づけをすること
人のものに手を出さないこと
誰かを傷つけたら、ごめんなさい、と言うこと
食事の前には手を洗うこと
トイレにいったらちゃんと水をながすこと
焼きたてのクッキーと冷たいミルクは体にいい
釣り合いのとれた生活をすること
毎日、少し勉強し少し考え、少し絵を描き、歌い、踊り、遊び、そして、少し働くこと
毎日かならず昼寝をすること
おもてに出るときは車に気をつけ、手をつないで、はなればなれにならないようにすること
不思議だな、と思う気持を大切にすること
(『人生に必要な知恵は、すべて幼稚園の砂場で学んだ』/河出文庫
All I Really Need to Know I Learned in Kindergarten:Robert Fulghum 著)