ご無沙汰しております、管理人でございます。
みなさん、ワクチンは何回目ですか?
私はようやく昨日、三回目のショットをキメました。
おかげで眠らずにバリバリ仕事ができます。
冗談です。
おそらく八人目? の新人さんの登場です。
身内びいきではなく、本当に面白い作品です。
初めて書いた方ばかりなのですが、
うつりとは本当に層が厚いなと思います。
まだ新人数名が控えております。
スローペースですが、今後も続けてまいりますので、
お付き合いよろしくお願いします。
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ミニ小説
「文芸部的な、余りに文芸部的な」
寝手場架莉
寝手場は夏が苦手である。
もちろん暑いのも苦手だし、エアコンはないし、
洗濯も面倒だし、風呂に五日置きに入るのも面倒だし。
しかしそれ以上に苦手なもの、それは虫である。
皆が嫌がるあの虫ももちろん苦手だ。三日に一回は水回りのみならず、部屋のど真ん中でも見かける。
万年床の上だけが聖域だと思っていたが、
先月ついに布団の上にまで這い上がってきた時は、
新宿の漫喫に避難し、二日ばかり帰らなかった。
あの虫がいるおかげで、それを目当てに超巨大アシダカ軍曹まで出る。あれを恐怖と言わしてなんと言おう。エイリアンと脱出ポッドで二人きりになったリプリー並みの恐怖である。
先週、帰宅すると食器棚に、ふわふわした大きな黄色いものが付着していた。最初、ただの埃だと思ったが、それにしては大きすぎるし、美輪明宏の髪の毛並みに鮮やかな黄色だった。
おそるおそる近寄ってもなんだかわからない。
地球上のものとは思えない。
そこで自慢のiPhone13 Pro Max 512MB(寝手場は古い人間のようでいて、最新ガジェットには惜しまない主義である)で調べてみると、おそらく蛾の蛹のようだった。
屋外でも見たことがないものが、家の中に。
悲鳴を上げ、またしても新宿の漫喫にお世話になった。
「夏はいやだな」
晩夏の夜空を見上げながら冷えたピーチネクターを飲む。
とはいえ、寝手場は秋も寂しいから苦手だし、冬も寒いから苦手だし、春も寂しいから苦手なのだけれど。