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六番目メンバーの第二作 ミニ小説第二話

使徒使徒、雨が降っていますね。
こんにちは、渚カヲルです。
ウソです。中の人です。

昨日、デビューしたばかりの六番目の使徒・・・
ではなくメンバーの第二作を掲載しました。
今度は「詩」です。

どちらかと言えば、エンタメではなく、
生きることの意味を追求するような作品が多くなりました。
そう言うのって、純文学っていうんですかね。
中の人は小説が読めないので、よくわかりません。

でも、うつりとは宗教団体ではありません。
表現にそれっぽいところがあっても、
それは文学的な意味だけですのでご安心を。
今日は選挙ですが、政治団体でもありません。
うつり党として立候補・・・供託金がないな。




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「文芸部的な、余りに文芸部的な」
 ー 第二話 ー

寝手場架莉


「先生、あまり調子が良くありません」
 寝手場は小さな診療所の、さらに小さな診察室で
成田川城太郎院長に呟いた。
「どうしたの」
「執筆活動が孤独なのです。執筆仲間が欲しいのです」
「友達なんかいらないんだよ! いいんだよ、そういうのは! なんでそんなの欲しいの!」
 およそ、静止ん科の医者とは思えない言葉に寝手場はたじろぐ。
「友達はいらないんですか……」
「音楽でも聴いてりゃいいんだよ!」
「マーラーとかバッハとかですか」
「BTSがいいよ!」
「なんですかそれ。テレビ局ですか」
「知らないの!? BIGBANGとか、EXOとかもいいよ!」
 九十歳を超える院長が、熱く男性K-POPアイドルを語る。
 寝手場はアイドルと言えば、小田急線の案内吹き込みで有名な明日待子で止まっていた。
「効かないクスリ出しとくから、それ飲んで」
 院長の言葉が最後まで理解できないまま、寝手場は診察室を出た。

 待合室に貼ってある壁新聞を見つけ読んでみる。小説は読めないが、こうしたミニコミ誌は好きだった。
 タイトルには【鳥痛】と書いてある。
 焼き鳥屋がスポンサーなのだろう。
 内容は大して面白くなかったが、大勢で作る学生のようなノリが眩しく思えた。
 「友達なんかいらない」と言っていた院長がこれを貼っていることにモヤモヤする。

「市ヶ谷にでも行って、防衛省のバルコニーでも眺めるかな」
 寝手場は革の学生鞄に原稿用紙と薬をたっぷり詰め込み、青い電車に乗った。
明日待子の案内が流れればいいのに。
明日、待ち、子。
 






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