正岡子規の晩年のエピソードをご存知でしょうか……?
肺病を患い、四国の実家で臨終の間際の夢と現を彷徨いながら、彼は父に言ったそうです。
「父さん、胸がくるしい。上にいるネコをどかしてください」と。
勿論、病人の胸の上にネコがいるはずもなく……。
だけど、父はネコを退かす素振りをして、彼を安心させます。
正岡子規はにっこり笑い、「ありがとう」と言葉を残し、亡くなったそうです。
何でこんな話を書くかと言えば、最近、わたしの胸が苦しくなるのです。
初めての晩は、「ついに来たか!」 これが、心霊現象と興奮したものでした。
しかしながら、その正体は!
うちの可愛いお嬢ネコ……。
思い起こせば四年前、母ネコとはぐれたのか、育児放棄されたのか、手の平に乗りそうなほど小さな子ネコを拾ってきたのは、うちの奥さんでした。
取り敢えずはミルクをやり、病院に連れて行ってと大騒ぎしたのを、今でもはっきり覚えております。
あの頃は、うちのお嬢ネコも人肌恋しく、不安だったのでしょう。
わたしがゴロンッと横になれば、胸の上に這い上がり、首筋に顔を埋めて寝ていたものです。
それが大きくなったとたん、おしっぽをピンッと立て、お尻をふりふりモンローウォークでしゃなりしゃなりと歩くネコに!
わたしにはご飯をおねだりながらも、連続のネコパンチッ!のツンデレネコになってしまいました。
それが最近、寝室の床に敷かれた、わたしの布団にもぐり込んでくるようになったのです。(なんで、こんなとこに寝ているかは、ちょっと前のこの猛暑の過ごし方を読んで下さい)
どうやら、エアコンで冷やされた室内に寒くなり、わたしのタオルケットにもぐり込んできてるみたい。そして見付けた暖かな安心できる場所がわたしの胸の上だったらしいのですが……。
確かに可愛くてラブリー! おもわず、ギュッギュッと抱きしめたくなります。
だけど、あんた、もう重いから!
んなこなんで、リアルで正岡子規している、最近です……。