懐中時計

とある街の、とある魔法使いが支配人を務めるデパートのショーウィンドウには、看板娘のマネキンがいました。 彼女には密かに想いを寄せる人間の仕立て屋がいましたが、人形の恋など叶うべく…

大都市の維持には機械が欠かせなくなり、人間最後の砦と言われた芸術分野にもその手が及ぶようになった世界。 「僕」こと半人前の修理屋フォルテは、時に喋る猫のポコに悪態を吐かれながらも…

とある町の片隅に、そのホテルはありました。 どこか懐かしく、不思議で温かい雰囲気のそのホテルの名は、セイリオスホテル─── 当ホテルは、人間もそうでない方も歓迎いたします。 …

幽世(かくりよ)の住人。闇を好み、時に人を喰らうモノ。 それが、妖(あやかし)。 人間は、画鬼と呼ばれる式神の力を以て彼らを時に封じ、時に祓って、その人ならざる力を従えてきた。 …

〈あらすじ〉 蒸気都市、ネベル=ヴァルド。 この世の栄華を誇る一大都市には、その代償とも言うべき存在───霧妖(ミスト)がいた。 ベルンとステラは、その霧妖を狩ることで生計を立て…

舞台は、人工知能〈ハンプティ=ダンプティ〉が管理していた社会が突如として崩れ去って15年が過ぎた世界。 貧富の差は拡大する一方で、階層化著しい社会においてはマフィア〈紅の咆哮〉と…

ルナ＝ソレイユ──あらゆる欲望が集まる、歓楽都市。 その下層社会に生きる青年、エースには、ある過去があった。 それは、空を駆けるエアバイクの一流レーサーだった過去。そして、二年前…

これは、「私」の回顧録である。

素顔を知らない常連客と「私」の、小さな恋の物語。 ※拙作『ようこそセイリオスホテルへ』の掌編になります。もちろん、このお話だけ読まれても全く問題ありません。

〈あらすじ〉 八坂環には、最近行きつけの古書店がある。 古書店〈六角堂〉──雨上がりの黄昏時にしか開かない不思議な店。その主は、人ならざる者──あやかしだった。 〈登場人物〉 …