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エアの耳掃除をして「んお゛っ❤ゆるじで❤」ってなるやつ

 こそ、こそこそ、かさかさ……。
 ごりっ……。

 渡はマリエルに耳かきをしてもらっていた。

 耳の奥で大きく鳴り響く、耳かきの音。
 的確に痒い所を刺激される甘美な時間。
 片頬は柔らかな太ももの感触を感じ、視界はくびれたお腹や形のいいへそを眺める。

 目も耳も肌も、感じるすべてが快楽に満たされる。

「んふふ、大きいのがごっそりと取れちゃいましたよ」
「あ、ああ……」

 楽しそうにクスクスと笑うマリエルは、優しく渡の髪を撫でた。
 まるで赤ん坊のころに戻ったような安らぎを感じて、顔から、全身から力が抜けていく。

(ご、極楽だ……)

 ふぅうう、と耳に息が吹きかけられて、ぞくぞくと背筋が震える。
 マリエルの端正な顔が、いたずらっ子のように笑みを浮かべるが、それすらも蠱惑的で魅力的だった。

「はい、おしまいです」
「あ、ありがとう。最高に気持ちよかったよ」

 あまりにも快適すぎて口がぽかりと空いて、よだれが垂れてしまいそうになった。
 至福の時間を過ごした渡は、耳掃除が終わってしばらくしてもぼうっと脱力してしまっていた。

「…………」
「どうした、エア」
「アタシもやってほしいかも」
「あらあら、じゃあ」
「いや、俺がやってやろう。普段よく働いてくれているしな。俺も主人として報いる必要があると思ってたんだ」

 渡の反応に耳かきをしてほしくなったのだろう。
 エアが耳を器用にピクピクと動かしながら、期待に尻尾をブンブンと左右に振りながら、渡の膝の上に頭を乗せた。
 猫耳ならぬ虎耳の位置の関係で、エアは仰向けで寝転がった。
 驚くほど大きな乳房が重力に従って半球状に広がるが、それでも深く大きな谷間を作るほどの盛り上がりがある。

 耳かき棒を慎重にエアの耳の中に入れていく。
 普段自分で耳かきをしないらしく、耳垢がたしかに溜まっていた。

「んっ……!」
「大丈夫か?」
「あ゛っ、んふっ❤ こ、これくしゅぐったいよぉ」
「おー、これは大物だ」
「ん゛おっ❤ お、お゛おっ❤ や、これしゅごっ、しゅごひっ❤」
「すごい反応だな……」
「き、きもひ、きもひいぃ……❤」

 エアの顔が一気に紅潮し、目が潤んだ。
 堪えようとガマンしているような甘い声が漏れる。
 尻尾が大きく膨れ上がった。
 指先が我慢しようとぎゅっと折り曲げられ、床を掴むが、さらなる刺激が加えられるとパタと手が落ちた。
 そしてまた曲げられる。

「ふっ、んあっ、そ、そこっい、イイっ❤」
「ここか、ここが良いのか」
「んおっ、あ、あへっ、はへぇ……❤」

 甘く蕩ける声に渡も調子が上がる。
 耳の奥をコリコリと擦りつける。
 顔から力が抜け、呂律が回らなくなっていく。

「や、やらあ。こ、これ頭、あたまおかひく、おかひくなっちゃう❤」
「おおー、いい反応だ。このあたりが良いんだな」
「ん゛あっ、ゆ、ゆるじで❤ おが、おがじぐなりゅ❤ あるじ、ゆるじで❤」
「よしよし、頭も撫でてやるからな」
「~~~~~~っ❤ んお゛っ❤ お゛お゛お゛お゛お゛❤」

 コリコリ、クリクリ。
 気持ちよさそうな反応を示すところを、的確に、執拗に刺激する。
 尻尾がぶわっと膨れた後、突如ぺたりと力なく床に落ちて、また膨らんで。
 エアの足がピンと伸び切った。

「んっ、んぐぐ❤ こ、こんにゃのしらにゃい❤」
「初めての体験かあ。気持ちよさそうで良いなあ」
「お゛お゛お゛っ❤ 跳ぶ、跳んじゃう❤」
「ほーら、すごいぞ。奥の方もくちゅくちゅしような」
「お゛……お゛お゛……!! ……っぐ❤ いっじゃう❤ あ、あ゛あ゛あ゛あ゛、いぎゅっ❤ ん゛あ゛ぁ゛あ゛ああっ❤」
「おっと危ない。こらこら、エア。急に動いたら危ないだろう……おい、エア?」
「ひっ! ひっ、ひいっ❤」

 ヒクリ、ヒクリと体を震わせ、目の焦点が合っていない。
 気づいたときには天国に到達していた。

「ご主人様、やりすぎです……」
「あれ……?」

 後日、自分で掃除をしても気持ち良くないのか、耳かき棒を持って渡に掃除を頼むエアの姿が見られるようになった。

「主、またアタシの耳を……|掃除《こわ》して」

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