• 現代ドラマ

VRSNSを描くということ 元ネタ編

 近況ノートを書くのにも慣れてきました。こんにちは、翡翠波瑠(ひすいはる)です。

 今回はVRChatあるあるに満ちたVRSNS探検記、拙作「ネオンライトカレイドスコープ」に登場する事件やワールド(作中でいうところの夢)の元ネタを、備忘録的に書き連ねておこうと思います。



 まずは第一章に登場する〝辿り着き方が複雑〟かつ〝ポータル同士でネットワークを形成している〟ワールド群について。

 これはVRCにおける〝ID〟や〝ダリア〟と呼ばれるワールド群から着想を得ています。

 IDは海外コミュニティがアップロードしている一連のワールド群を指します。神社のワールドや若干版権意識に欠けたアニメインスパイアなワールドなど、ユーザーが何気なく集まっているいくつかのワールドがあるのですが、なんやかんや暗号を解いていくと非公開の不気味なワールドに辿り着いて……!? というもの。

 ダリアは、文字通りワールドの何処かにダリアの花の意匠が掲示されているワールド群。何らかの意図を持った人たちが自分のワールドにダリアマークを掲示。触発された無関係のユーザーたちも掲示するようになり、公式と非公式のダリアワールドが入り混じっちゃうなんてことも。適当に訪れたワールドがなんかポップで面白そ〜♪ って思ってたらダリアマークがあってヒエってなったりします。ひえっ。

 もちろんそれぞれのワールドの投稿者は異なっていて、どちらも1人で出来るような作りではありません。非常にミステリアスなのですが情報をまとめている方も少なく、ワタシも決して全貌に明るいわけではないのです。



 次。第2章に登場した〝アバター間で感染拡大するウイルス〟について。これはVRChatではなく旧ネオスVR(現レゾナイト)という全く別のVRSNSサービス内で起こった(とされている)珍事を参考にしています。

 旧ネオスVRは、とにかく自由度の高さが売りでした。VRゴーグルを被って他人と交流しながら、その場でワールドを作ったりアバターを作ったり3Dモデリングやプログラミングが出来たり、果てはそれらの成果物をユーザー間で受け渡し出来たりと、とにかくまあ「逆に何が出来ないの???」となるような自由な世界です。

 で、そこで一時期起こったのがアバターに不要なボーン(可動部)を増やすウイルスだったそうで。結局コミュニティ内で注射器の形をしたワクチンが出回るようになったとかで、特に大ごとにはならなかったそうですが、私自身ツイッターでそんな珍事を知って「面白!」と思った次第です。

 ちなみに私もネオスVRに行ったことはありますが、あんまりの敷居の高さに泣く泣くVRCに逃げ帰った苦い記憶があります。



 とまあこんな感じで、割と小説中の事象も可能な限り創作ではなく現実に即したものにするようにしています。ひとつの大きな嘘を描くとき、その百倍の小さな真実を織り交ぜないといけない的なことを聞いたことがあります。では拙作におけるひとつの嘘とはなんだろう? など思いながら、今日も遅々と筆を進めています。

 それでは。

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