• 異世界ファンタジー

「登場人物さんいらっしゃい!」─アーサー編①─

<アテンション!!>
 タイトルでもうすでにお察しの方もいらっしゃるとは思います!
 こちらのコーナーでは、某『新◯さんいらっしゃい!』をオマージュして「勇者アーサーの物語」の登場人物をゲストとして招き、自己紹介含めた色々なネタバレ込みのお話を聞いていこうじゃないかという趣旨となっております。
 あくまで、某『◯婚さんいらっしゃい!』のオマージュです。
 大事なことなので、もう一度。某『◯婚さんいらっしゃい!』のオマージュであり、風味であり、パクリでは一切ないのであしからずでお願いいたします~!
 また、「勇者アーサーの物語」を未読の方もいらっしゃるとは思いますが、本編を一読していただいた方が楽しめる内容になっておりますので、是非本編を読んでいただくことをお勧めします。
 なお、「ネタバレはちょっと~」ということは閲覧を控えていただけますと幸いです。
 長々と失礼いたしましたが、用法容量を正しくご利用の上楽しんでいただけると嬉しいです~!!


【登場人物さんいらっしゃい!】
マリー:「皆さん、こんにちは~!」
クオレ:「こんにちは~」

 優雅な動作で手を振る司会二人。

マリー:「『こんにちは』と言うと、芸人の某錦◯さん風に大声で元気に挨拶するのもいいですよねぇ。今日みたいに優雅なお手振りでの始まりもとってもいいですけど」
クオレ:「あぁ、某◯鯉さんですか。両手を使った元気で快活な挨拶、子供たちが大喜びしそうな出だしになりそうですねぇ」
マリー:「某業界では、いつでもどんな時でも『おはようございます』と挨拶することにちなんで、このコーナーでもいついかなる時も『こんにちは』の挨拶から始めていきたいと思っていますので、錦○さんの元気な挨拶でインパクトを与えるというのはアリですね」
クオレ:「次回からその方向でやっていくのか、検討しておきましょう。え~と、なにやら時間が押してるようですね。早速ですが、このコーナーの説明に移りましょうか」
マリー:「承知しました。このコーナーは、某『新◯さんいらっしゃい!』をオマージュした企画となっております。<アテンション!!>でもお伝えしておりますが、ゲストをお招きして自己紹介含めた色々なネタバレ込みのお話を聞きながら、司会二人とトークしていくという趣旨のコーナーになっております」
クオレ:「なお、ネタバレは困るという方は、一読の際にご注意ください~」
マリー:「色々と急ピッチで説明していきましたが、そういえば我々の自己紹介がまだでしたね」
クオレ:「……おやおや。我々としたことが、うっかり抜けていましたね」
マリー:「大事なところですよねぇ。さくっと自己紹介にいきたいところではありますが、ここまで引っ張ってしまったわけですし。ただの自己紹介ではなんですから、アイドル風自己紹介でいきましょうか」
クオレ:「ほぅ……、アイドル風ですか。それは一体どういったものなんですか?」
マリー:「簡単に言いますとですね、ゴニョゴニョゴニョ……」

 周りには聞こえないように、現在司会二人は小声でアイドル風自己紹介についてレクチャー中。

クオレ:「なんと! それは実に個性的ですね。ほぼぶっつけ本番になってしまいますが、自己紹介は是非ともそれでいきましょう」
マリー:「では、私から。コホン。あーあー、テス、テス……はい。主人公のクラスの担当教諭にしてプレスフィールド魔術学院三傑の一人、『鉄の女皇』ことマリー・ドルッセンです!」
クオレ:「はい。機密事項のため年齢不詳、特技はなにを考えているのかわからない笑顔、本編未登場のクオレです!」
マリー:「素晴らしい自己紹介でしたが、なんていうかかなりの強気ですね~」
クオレ:「何気に結構やりますねぇ」
マリー:「本編未登場キャラを平気でぶっ込んでくるその根性、嫌いじゃない! けど、かなり鬼畜仕様じゃないですかね~。いくら本編ではないといっても、こちらは本編から準じた一応派生物ではあるわけですから。でも、これはこれで面白いとは思いますわ(特大のにっこりスマイル)」
クオレ:「さすが、マダム・マリー。自らが面白いかどうかが最重要で、それが自らにおける最大の価値基準。きみの一切ブレないそういうところ、好感と共感しかないね」
マリー:「お褒めに預かり光栄ですわ、クオレ様」
クオレ:「自己紹介でも口にしたけど、僕はまだ本編での登場はないんだよね。これでも一応ただのモブキャラではないので、そこのところはこれを現在読んでくださっている方がにもお願いしておきたいところですねぇ」
マリー:「そうそう。クオレ様はこう見えて、プレスフィールド魔術学院の上層部に所属してらっしゃる御方ですので。是非登場を楽しみにしていただけると嬉しいですね」
クオレ:「ふふっ、そうなんだよねぇ。こう見えて結構エラい人なので、本編に登場した際にはみなさんよろしくお願いします」

???:「あ~、エヘンエヘン!」

マリー:「……なんだか不快な音というか、咳というかよくわからない音が聞こえてきましたかねぇ?」
クオレ:「おやおや、なんだかわざとらしい声が聞こえてきた気がしたのですが。気のせいでしょうか?」

???:「エヘンエヘン、ゴホンゴホンッ!」

マリー:「気のせいではなく、なんだか面倒そうな気配がしてきましたねぇ」
クオレ:「ん~、でもこのコーナー自体がゲストに来てもらって司会とトークする、っていう趣旨ですからね。誰かさんの反応も、あながち間違いでもないんだけど。さて、どうしようか?」
マリー:「本当、どうしましょうか~?」

???:「エヘンエヘン、コホコホコホッ! え~、ゴホンゴホンゴホンッ、ゴホゴホ、ハックションッ!!(セット裏からチラチラとセットにいる司会二人の方へと意味深な視線を向ける)」

マリー:「裏方がなにやらめちゃくちゃうるさいですね、これ。そうそう、すっかり忘れてましたが、このコーナーはゲストの方をお招きしての司会二人とトークするはずでしたよね、クオレ様?」
クオレ:「そうなんですよ。ゲストをお招きしてネタバレありのトークを披露する予定なんですよね、マダム・マリー?」
マリー:「もうなんだか痺れを切らしちゃってるみたいなので、ちゃっちゃと呼び込みますか? 色々と面倒くさいですし」
クオレ:「ふむ、そうですね。面倒ごとは極力避けたいですし、そうでなくても面倒な人ではありますし。ちゃっちゃとやってちゃっちゃと終わらせちゃいましょう」
マリー:「許可をいただきましたので、早速いっちゃいましょう~」
ク・マ:「「登場人物さん、いらっしゃ~い!」」

 ようやっと司会に呼ばれて、セット裏から出ていけることに安堵しつつ、トーク用のセットにいそいそとやってくる本日のゲスト。

アーサー:「どうも~。本編主人公のアーサーでっす!」
マリー:「出てきていただいて早々ですみませんが、アーサーさん。ここでの自己紹介は、アイドル風でお願いしています」
アーサー:「…………はい?」
クオレ:「そういうことなので、アーサーさんにもアイドル風自己紹介お願いします(無茶ぶり)(超絶にっこり顏)」
アーサー:「薮から棒に、アイドル風自己紹介を無茶ぶりされるとか……。別に構わない、構わないけども。にっこり笑いながらのセリフじゃないよね、コレ?」
マリー:「これはゲストにきた方の試練でもありますから。是非お願いします、アーサーさん」
アーサー:「きゃるんとしたかわいい笑顔なのに、めちゃめちゃすごい圧を感じるんだけど。てか、これ完全に脅しだよね。えっ、俺ゲストだよね? 俺、ゲストなんだよね?!」
マリー:「はいはい、あなたは十分ゲス(ト)ですよ」
クオレ:「さりげなくディスるとは、さすがマダム・マリーだねぇ」
アーサー:「待って待って待って。そこ褒めるところじゃないから、褒め時じゃないからね! しかも、肝心なところの発音抜かしてディスってるし、ゲストに対する敬意とか礼儀とかまるっとスルーしてくれちゃってるからね?!」
マリー:「すみませんが、時間が押してるんです。ごちゃごちゃ言ってないで、さっさと自己紹介しちゃってください、時間が押してるんで。ちなみに、拒否権なんてないんですからね!」
アーサー:「さらりと二回時間が押してるって言った。マリーちゃん、本当相変わらず横暴ね。わかった、わかりましたよっ」
クオレ:「では、気を取り直してアーサーさん。自己紹介よろしくお願いします(にっこり)」
アーサー:「マジで俺というかゲストに対する待遇と扱いがめちゃくちゃ軽いな、おいっ。やればいいんでしょ、やれば! はぁ~(盛大な溜め息つき)、……はい! プレスフィールド魔術学院所属の学生、好きな食べ物は人に奢ってもらう食事全般、予言されし『勇者』ことアーサー・フィーレン・オッド・カーギルドです!!」
マリー:「アーサーさんは勇者とのことですが、本当に勇者なんですよね?」
アーサー:「……ねぇ、俺の渾身のアイドル風自己紹介には一切コメントなし? てか、このくだり本編でも散々やらかしてるのに、ここでもやっちゃう? これ、俺の鉄板ネタになってんの?」
クオレ:「鉄板ネタかどうかはわからないけど、自分で『勇者』だなんて言ってる人に、碌な人間はいないよねぇ。間違いなくあやしさ満点だし」
アーサー:「真剣みのある涼しい顔して、何気にめちゃくちゃひどいこと言われてんだけど。虫も殺さぬような顔して、俺のことめちゃめちゃディスってくるのなんなの? ていうか、お願いだから余計なツッコミとかぶっ込みで文字数使うのやめて? これイチイチ取り合ってたら、俺の出番とか会話とかごっそり削られちゃうやつじゃない?!」
マリー:「あらら、やっぱり気づいちゃいます?」
クオレ:「本当は、トークもなしに終了に持っていきたいんだけどねぇ。わざわざ来てもらったわけだし、このコーナ一応ゲストとトークするっていう体でやってるものだから。仕方ないとはいえ、……(ふぅと悩ましい溜め息を吐く)」
アーサー:「真顔で色々ぶっちゃけるのやめて? そこまでやる気がないなら、なんでゲストに呼んじゃったの?」
マリー:「そこは大人の事情が色々と、ねぇ……」
クオレ:「ほら、ねぇ……」

 司会二人が、互いに意味深な視線をチラリチラリと交わし合う。

アーサー:「やめて?! 本気でやめて! 俺がここにいる意義を司会の二人で全否定すんのやめてくんない?!」
マリー:「とまぁ色々と言いましたが、我々も大人ですから。大人の事情が諸々あったとしても、きっちり仕事はしますから。面倒とはいえども」
クオレ:「仕方ないですよねぇ、いくら面倒とはいっても。大人ですから」
アーサー:「いや、もうほんといいから。お願いだから進めよう、トーク。俺、もう全力で帰りたいから。帰って即行ロマニ吸いたいから」
マリー:「真顔で変態発言やめてくれます? ここ、そういうとこじゃないので」
アーサー:「マジひどいっ!!」



クオレ:「では、気を取り直して。そういえば、話が途中になってましたね。アーサーさんが『勇者』だというのは本当に間違いないんですか?」
アーサー:「……その話題、あくまで引っ張るの? 一応、俺が『勇者』だって予言されたのは本当。これマジのマジの大マジの本気で真剣だから」
マリー:「まぁ、妄想するのは自由ですしねぇ」
アーサー:「いま、めちゃくちゃ語弊のある言葉が聞こえた。はちゃめちゃに誤解を生む声が聞こえちゃったんだけど?」
クオレ:「あぁ、なるほど……。そういう妄想しちゃってるんですね」
マリー:「誰でも一度は通る道でもありますし、例に漏れずというやつじゃないでしょうか?」

 ゲストのアーサーを、マジで可哀想なものを見る目で眺める司会二人。

アーサー:「ねぇ、これ俺に話を聞きながら司会とトークするコーナーでしょ?! なんで、こんな『本気で哀れなやつ……』みたいな雰囲気と視線で見られなきゃなんないの? マジ理不尽です!」
マリー:「未だに中二病ですか……。大変ですね」
アーサー:「俺のツッコミ、まるっと無視ですかっ。しかも、超真顔で心底呆れてます風な雰囲気で言われるの傷つくわぁ、本気で傷つくわ~」
クオレ:「まぁまぁまぁ。中二病は治る人は早めに治りますし、罹患しない人もいますが、ある意味で不治の病ですから。彼がそうなのも致し方ないのでは?」
アーサー:「フォローしているようでまったくフォロしていない上に、俺が中二病なのは決定事項でさらに傷口に思いっきり塩を塗り込んでくるそのスタイル、すごすぎない?!」
マリー:「クオレ様のボケテクニックは一流ですからねぇ。私も見習って精進せねば!」
アーサー:「いや、別にそんなに頑張って真似しなく……」
クオレ:「いやぁ~、それほどでも」
アーサー:「俺の話真面目に聞く気ある?!」
マリー:「大丈夫よ、アーサーさん。私たち、ちゃんとわかってるからっ」
クオレ:「大丈夫です、心得ていますから」
アーサー:「いや、心得てないよね?! ていうか、なにを心得てんの? 全然大丈夫じゃないし、まったくわかってないよね?! わかってたら、そんな生温い目で俺のこと見ないでしょ、フツー!」
マリー:「さて、アイスブレイクもできてトークも白熱してきたところで、次の質問にいきましょう~」
アーサー:「いやいやいや、ちっとも温まってないし、白熱してもいないから! てか、俺の話聞く気ないでしょ、コレ~っ。ゲストまる無視の超絶スルーなトークコーナーってどゆこと?!」
マリー:「そういえば、アーサーさんの出身地はどこなんです?」
アーサー:「(己のツッコミをまるっと無視されたことについて大変遺憾に思ってかなりのジト目になっている)生まれも育ちもカーギルド公国ですが、それがなにか?」
クオレ:「ということは、カーギルド公国内は庭のようなものだったりするのでは?」
アーサー:「まぁ、生まれた時から住んでる土地なわけだし、それなりには。けど、公都のことは大体わかってても他はあんまりかなぁ。公都外に出ることはほとんどなかったし、数年はいろんな国々を渡り歩く放浪の旅に出てて、そもそも公国内にいなかったからな」
マリー:「あぁ~、それはアレじゃないでしょうか? いわゆる、ちょうど病んじゃってる時期だったりするのではないですか?」
アーサー:「……本気で疑問なんだけどさぁ、人の話聞く気ある?」
マリー:「聞く気はあるんですよ? アーサーさんの話を聞く気があんまりないっていうだけで」
アーサー:「それ聞く気あるって言わ……っ」
クオレ:「年齢的にもちょうど罹患時期ですしねぇ。放浪の旅とか言うとカッコよく聞こえますけど、要は中二病拗らせただけっていう……。そういうことですよね、マダム・マリー?」
マリー:「えぇ、つまりはそういうことですよね、クオレ様?」
アーサー:「本当マジこのコーナーする意味ある? ここまで人の話もろくすっぽ聞かずに、ゲストとトークもする気皆無とかさぁ~。なんでこのコーナー始めちゃったの? あと、その哀れな人間見る目で見てくるのやめてくんない?!」
マリー:「さっきから否定してますけど、しっかりネタが上がっちゃってるんですから。しょうがないですよね?」

 「こいつ、思いっきり開き直りやがった」という目で司会のマリーを見つめるゲスト。しかしながら、肝心のマリーはゲストの視線を完全スルーしている。

クオレ:「そうだねぇ。別にこちらとしては確たる証拠を集めるつもりは一切ないんだけど、こうも確かな証拠と根拠が出てきちゃったらね~。……しょうがないよね」
アーサー:「よ~くわかった。こうやって冤罪って作られてくのね。本当なんでこのコーナーにゲストに呼ばれちゃったかなぁ(遠い目)」
マリー:「そんな本気で後悔した顔で項垂れないでください、アーサーさん。人生はまだまだこれからですし、いまさら後悔されても迷惑なので、落ち込むなら人に見えない落ち込んでくださいね」
クオレ:「慰めている風で傷口に塩をすり込むその姿勢、見習いたいですね」
アーサー:「見習わなくていいからっ! てか、ゲストの扱いマジひどすぎやしないか?! ねぇ、ねぇ~!!」

 なにやら叫んでいるも、強制終了して次の質問へGO! といきたいところですが、長くなったため「登場人物さんいらっしゃい!」─アーサー編②─に続く!!



 このコーナーに登場してくる司会(のうちの片方のみ)とゲストが、キャラクターとして登場する「勇者アーサーの物語」の最新話を先日更新しています~。
 一読していただけますと、よりこのコーナーの内容が楽しめかと思います!
 是非閲覧よろしくお願いします~!!
 
「勇者アーサーの物語」
https://kakuyomu.jp/works/16817330654256656489

【本編のあらすじ】
 高邁な巫女に予言され、世界中の人々の期待と願いを背負い、この世に見出された『勇者』。
 突如世に現れ出ては、幾たびも世界に混乱と恐怖をもたらしてきた『災厄の魔女』。
 
 予言を見事果たす形で、世界を滅ぼすとされし『災厄の魔女』を『勇者』が討ち果たしておよそ十年。
 世界は平穏を取り戻し、安穏とした日々のなかで平和を享受していた。

 未曾有の危機から世界を救った、まさに救世主にして大英雄となった勇者。
 有名人となった彼は平和で穏やかな毎日を過ごすかたわら、ある魔術学院の一学生として魔術を学びだけでなく、新たな魔術の開発・研究に励んでいた?!

 勇者が魔術学院の学生というわけがわからない状況ながら、当の魔術学院に「西の大帝国」と称される帝国から、とある少女が編入してきたことで再び刻の歯車が動き出す。

 美形、最強、勇者と三拍子そろいながら、クズい、チャラい、胡散くさいの三拍子もそろってしまった勇者が、編入初日の編入生に『勇者』であることを疑われることからはじまる、新たな勇者の物語。

 勇者が紡ぎ出すドタバタな日々は、はたしてどのような世界へとたどり着き、どんな景色を人々に魅せていくのか。


「そうです、私が世界を救うと予言された『勇者』です」

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