1話だけ登録して大分経ちましたが・・ようやく全話アップしました。「一刀両段」は現在柳生新陰流の最初の組太刀の名前ですが、もとは禅語です。禅の公案集「碧巌録」に乗っている話で、決断するのは生死を分ける場合でも一瞬である、という行動哲学を表したものと考えられます。禅宗とは全く面白い宗教(いや、哲学)で、問にすぐ応える(どんな形でも良い)ことが出来ないと「打たれる」ことになります。座禅のときにぴしりとやられるあれがその形を残しているのかも知れませんが、臨済録によると宗門にない老婆でさえも打たれてしまいます。剣と禅はそういう平静心と行動の論理が一致したものと思います。