最新話『第156話 サイボーグの自分語り』更新しました!
誠が掃除を続ける中、手伝わないかなめは自分について語り始めた。
三歳の時、かなめは反戦政治家である祖父を面白く思わない軍部のテロで体の大半を失った。
祖父はそんなかなめに自分を責めながらその一年後世を去った。
三歳にして大人の身体を手に入れてしまったかなめに周りはかなめにとっては辛く接した。
腫れ物に触れるような父、何をするにも護衛を付ける母、家に住む居候達は距離を取って接した。
そのイライラをかなめは妹のかえでや姪の茜にぶつけることで解消していた。
女学校時代も近付く級友を殴って追い散らす暴れ者として過ごした。
そして父の世話になりたくない一心で西園寺家の影響力の及ばない陸軍に入った。
そこでは西園寺家の当主と言うことでわざと汚れ仕事ばかりを押し付けられた。
かなめは自分の身体がすべてを変えてしまったと思っていたと言う。
そんな自分の過去と法術を持って選ばれてしまった誠が重なって見える。
かなめは誠に向ってそう言った。