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長編恋愛小説「ガラス越しに笑って」完結しました

本日(19/04/24)、連載していた「ガラス越しに笑って」が完結いたしました。
今回はそのあとがきです。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054888677741


……実は、4年前に書いたものなので、臨場感を持った説明はできないのですが。
初めて「書き終えた」大学生視点の長編でした。
その前年に、大学生が主人公の別の作品にトライしてはいたんです。一応最後まで書いたんですが、途中がどうしても気に入らなくてボツにしたんですよね。
(確か、恋人が徐々に消滅する話だったと思います。うわーいろいろおもいだしてきたはずかしー)
この頃はまだリアルの自分も大学生〜大学院生だったので、手触りが本物のうちに書けたことは非常に良かったです。


『引っ越しの段ボールの底に、なぜか青いビー玉があった。』


この出だしから思いついた作品です。
ああ、透明な作品だ。どういう話なのだろう。少しずつ膨らませていった結果、幼馴染、恋愛、死別、等身大の成長、といった要素が次々と出てきました。

執筆中のコンセプトは「純度100%の水を、さらに濾過したような作品」。
だから悪者は一切出てきませんし(過去の回想を除き)、誰もが誰かを思いやっている。
少々過剰なきらいはあるかもしれませんが(飲酒シーンを避けたこと等)、方向性がぶれなかったという証でもあり、この作品はこれでいいのかな、と。
もちろん、後々への反省材料にはしていますよ!



主題についても少し。
「何かを失ったところから始まる」というのは、自分の作品でよく使うテーマです。
今回は「幼馴染の死」。とても重たい。その通奏低音を「ガラス」という形で表現いたしました。ここまで徹底して「死」と向き合ったのは人生で初めてでした。
だけど、この作品のもう一つのテーマは「笑顔」。その対比が本作の原動力です。
……絵美が「絵美」なのも、当然、狙ってのことですよ?(笑)


『そう、どんな理由だっていい、みんな笑って。私は自分の、みんなの、翔ちゃんの笑顔が見たいから。そのために音楽をしているから。』


この作品で、誰かの笑顔が作れたなら。著者としてはそれに勝る喜びはありません。



最後に。
この作品で何度か出てくるCymbalsというバンドですが、本当に素晴らしいのでぜひ聴いてみてください(笑)
変態的なベースライン、理解不能なコード進行。ウソみたいに澄んだボーカル、「かわいくっていじわる、だけどパンク」な歌詞。ハジけるシンバル、絡み合うコーラス、ストリングス、……。

20年前のバンドですが、その新鮮さは、今でもあなたのハートを必ず撃ち抜きます。
そして再生しながら本作品を読むのもまた乙なものですよ!

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