生涯でどうしても避けては通れない恋愛の部分を読んだんだけど、すごく良かった。
真面目なだけにすごく悩んでて焦ってて、そして相手のサラがすごく魅力的な女性だと感じ取れた。
ドラマチックな展開があるわけではない、と書くとなんか違和感がある。出来事はささやかなんだけど、とてもファラデーは真っすぐで情熱的でちょっとフランス映画みたいな…というとやっぱりドラマチックな展開としかいいようがない。
ささやかでドラマチック。いいなぁ。スーチンと、翻訳者、そしてファラデーが事あるごとにつけていた日記がこのような素敵な文章を今の世代に残してくれた。そしてその空気は今でも受け継いでいて、誰かが同じような空気をもたらす文章を書いてくれている。
しかし恋愛の部分はさらりと読めた。
研究の部分が難しくて、しばしばページを戻って２，３度読み返したりする。
ところでカクヨムの行間と文字と文字の間は随分とバランスが綺麗だと感じる。
『天才博士の奇妙な日常』というような本がとても好きだったのだが、その本の感じと似ている。それは縦書きであるけれど。
そして小難しい事を書いても、キャピキャピしたことを書いても、小難しいものはこじゃれた感じ、キャピキャピしたことはかわいい感じに見えるから不思議だ。
文字の潰れた活版印刷、みたいのもなかなか素敵なのだが、
なにより素敵という感じが素敵に見えたり、活版印刷という文字がちょっとアンティークな飾り文字に見えたり
微妙なバランス感覚を持ったテキスタイルだと思うのだった。
活字レイアウトについてもう少し用語を学ぼう…。
ルビとかはわかるけど、…が本当は……の略だとか、その名称だということも知らないし、カッコの名称は多少わかるにしても、細かい記号とかもよくわからない。
原稿用紙の真ん中にあるあれは名前がついてるけど忘れた。