ボクはその部屋を出て、すぐの所で座り込みました。ボクは必要とされてないのだろうか。りーちゃんだって、ボクが居なかったらもっと大人と一緒の事が出来たのかもしれない。ボクがもっと年が近かったら、りーちゃんはもっと楽しめたのかもしれない。ボクにとってりーちゃんは誰よりもカッコいい理想のお姉さん。けど、りーちゃんからしてボクは?手のかかる妹、なんだろうか。それとも…
もうやめだ。こんなの考えたってボクが何か出来る訳でも無い。持ってきた人形を取り出して、1人遊び始めました。
日が暮れる位にはすっかりボクも疲れて、その場で眠ってしまいました。
夜。目が覚めると真っ暗。台所の方から微かに声が聞こえます。もう、ご飯なのかな…
行ってみるとまだ料理の準備中。りーちゃんの姿も見えます。
「あ、佳乃起きた?今準備してるんだ、手伝ってよ。」
「まだ佳乃は料理出来ないから食器運びねぇ」
「う、うん。」
いつもの倍近くの食器を運びながら、時折ちらちらとりーちゃんの様子を伺います。いつもと変わらないようには見えますが、必ず目を合わせてくれません。
「……」
やっぱり、ボクは…
今も昔も、ボクは変わりません。一つの事しか出来ないのです。思い切り床に躓き、食器を持つ手がグラグラと揺れます。あ……落としちゃ
結果的に落とす事はありませんでした。咄嗟にりーちゃんがお皿を抑えたから。
「…ちゃんと前見て。」
「うん…ごめん…」
「……」
……………………りーちゃん…