• 現代ドラマ

7月27日

しばらくして、叔母さんがりーちゃんを呼びに行きます。たいそう不機嫌そうにこちらへ来るりーちゃん。目は合わせてくれません。

「一体何をしたの?よーちゃん泣いてるじゃない!」
「別に…本当の事言っただけだよ。」
「…もう、璃乃も中学生なのよ?もっと小さい子を大切に」
「結局よーちゃんを見てるのは私だけ。ちょっとでも大人が見たらいいじゃない。私だって好きな事が出来なくて困るの。」
「璃乃!待ちなさい!…もう」

りーちゃんはまた何処かへと行ってしまいました。最初からボクなんて居なかったかのように、ボクへ何もリアクションしないまま。

「ごめんね、ここ最近璃乃ったら機嫌が悪くてね?急に僕って言ってたのに私に変えるし、何かあったか聞いても別にしか言わなくてねぇ…ちょっと反抗期みたいなものなのよ、少し見守っててあげてくれる?」
「……うん。」

りーちゃんはお母さんにあたる叔母さんにも学校での話をしてなかったようなのです。つまり、あの時ボクに話してくれたのは…
今じゃもう遅い話。言ってしまったことは取り返せません。

「おばさん、りーちゃんと仲直りするにはどうしたらいいのかなぁ…?」
「大丈夫よ、心配しないで。経験豊富な私達に任せておきなさい!」

りーちゃんの居ない中、お父さん、お母さんにおじいちゃん。そして叔母さん叔父さんが今に集まって来ました。

「よし、それじゃチビ乃とデカ乃の仲直り作戦について話し合おうか。」
「はい!そんなの簡単さ、一緒に協力して何か成し遂げる!夏らしい思い出作りにもなるしね!」
「ってもなぁ、そんな軽く済むもんじゃないんじゃないか?なんといっても璃乃はちょうど反抗期入りかけさ。1回突っぱねると全く聞いてくれやしないんだよ…」
「デカ乃にしたら中々難しい時期なのかもなぁ…チビ乃とは年が離れてるしワシらに合わせるにはちと小さい。それにデカ乃とチビ乃を一緒に考えとったとこもある。よもや一緒に考えるのをやめた方がいいのもなぁ…」
「じゃ、じゃあ…ボクはりーちゃんと遊べないの…?」
「簡単に言うなら二つに一つ。チビ乃が諦めるかデカ乃が折れるか。どうだ、この際デカ乃の事は忘れてワシと遊ぶか?」
「や!ボク、りーちゃんと遊びたい…もっと、もっと沢山遊びたい!ちょっと難しくてもいいからりーちゃんと同じがいい!」
「それじゃデカ乃に折れてもらうしかないなぁ。ま、任せなさい。明日は夏祭りがあるだろう。そこを狙う。チビ乃は少し休んでおきな。ここからは大人の会議だ。」

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