ボクは引き止めるりーちゃんを置いておじいちゃん家に入っていきます。
「よお、いらっしゃい。元気か?」
「…」
「何かあったのか…?」
「…ううん。大丈夫。ちょっと疲れちゃっただけ…」
「まあ長旅だしなぁ…ゆっくり休みな。まだまだ夏休みはあるんだからな。」
そうです。おじいちゃん家には1週間ほど滞在します。
初日からあんなの…酷いです。
おじいちゃんのアドバイスに従うふりをして、別館へと篭もります。
1人になると、だんだん涙が溜まってきました。
幸か不幸か、ボクの従姉妹はりーちゃんだけ。同年代とは言えなくても、誰よりもカッコいいお姉さんなのです。そして、ボクと唯一一緒に遊んでくれる。
ボクはあと1週間どうやって楽しめばいいのだろうか…
「…ひっく…すん……」
気づけばすすり泣きに変わっていました。
「…よーちゃーん、よーちゃーん…?いないのー?」
遠くから聞こえてきたのはりーちゃんの声。おじいちゃんに話を聞いたのでしょうか。
悲しいのと同時に残っていたいた怒りや落胆といった気持ちがボクを邪魔して、意固地にさせます。
意地でも出ない。自分からは絶対に出ない。
「よーちゃん、よーちゃん…ねぇ…んぐっ…」
りーちゃんの言葉の端には涙や引き声が混じるようになってきました。
「ごめんね…よーちゃん…わた……僕は弱いから、よーちゃんだけでも頑張って欲しくて…ひっ……ごめんね、弱くてごめんねぇ…だから僕を見捨てないで…」
足跡はすぐ隣まで来ていました。そして、通り過ぎていきます。
ボクの足は、自然と扉へと駆けていました。
終わりが見えないのですが、明日!夏休みまでに終われば大丈夫ですね…