しっかり土日サボりました。サボったというよりは忘れてただけですけど。
今日で一応最後のまとめになります。
門を開けてもらった先に広がる光景はまさに神秘。淡く光る桜の木はそこらの桜の大きさでは無い。壮大で、荘厳で、美しい。
「わぁ……」
思わず口に出てしまいます。そりゃ名所として知れ渡っているはずです。田舎暮らしだと嫌なほど桜の木を見れますが、1本でこの綺麗さなんですから。
「な?粘って良かったろ?」
「……うん。」
「そう言ってもらって嬉しいよ。今年は公開する事は難しいかもしれないけどねぇ…」
…え?
「……なぜ、なのです……か?」
正義が隣に居ると単語ずつだが話せる。やっぱり言った後は不安で正義にしがみついてしまうが。
「…ここを見てくれ。」
お爺様が指した所。そこを見ると、枝が折れていた。いや、折れ方的に綺麗すぎる…切られた?
「誰か分からないが、どうも枝を持ち帰った馬鹿者がいる。私もこの桜の木もこの時期を大事に思っとる。それを沢山の人に見てもらうことは本当に嬉しい事なんだ。だけど、こんな仕打ちをされちゃあ…な。」
ボクが背伸びしてギリギリ届くような位置の枝の切り目を撫でる。……かわいそうに。
「切られたっていきなり死ぬもんじゃない。それにこうして純粋に楽しみに来てくれる人達もいる。どうしたものか…」
「…いい考えがありますよ、ちょっと耳貸してください。」
コソコソと話し合う2人。ボクだけ蚊帳の外。ねぇ、入れて…?
しばらくするとお爺様はニンマリとして悪そうな笑みを浮かべます。正義も悪そうな顔をします。
「いいね、やってみる価値はある。また、見たくなったら声をかけてくれ。」
「ええ、是非。佳乃、遅くなるし帰るか。」
門を閉め、寺を去り、元の道を戻っていきます。
「ねぇ…なんて言ったの?」
「別に?ただ…そうだな、佳乃が聞いたら怒るだろうな。いや、泣くか?」
「ボクはもう社会人だ!泣かないよ!」
「どうだか。ま、恨まれちゃ困るしな。秘密って事で。結果桜も見れたし、多分来年はちゃんと公開して見られると思うし。」
結局正義ははぐらかしてなんのことか言ってくれません。だけど、桜がちゃんと守られるなら…
「……親友の間に隠し事は無しだって言ったのに。」
「でもバラしちゃ親友が腹を曲げるから言いたかねぇな。」
いい訳ありません。そのうち、絶対聞いてやります。
とりあえず、桜はみんなで楽しむものです。傷つけたり、迷惑をかけるような事はしないでくださいね。
終わりです!