公式自主企画で怪談・都市伝説のほにゃららが開催され、多くの作品で賑わっておるようで何よりでございます。
一時期ネットで「洒落にならないほど怖い話」というのが流行って、なかなか良質な都市伝説が量産された時期がございました。
そのうちの一つ「八尺様」なんかは今も人気なんですかね。私は「リゾートバイト」や「コトリバコ」をどきどきしながら読みました。
深夜のデスクライトだけ付けた部屋、聞こえるのはパソのファンと微かにエアコンの音。カラン、と麦茶を入れたグラスで氷が立てる音にもビクッ! と体が震えました。今もその時のどきどき感を思い出せます。
そして夏の深夜にネット上の「洒落にならないほど怖い話」を読み漁った挙句、私はある人物に出会ってしまったのです。
それが、寺生まれのTさん、です。
全ての都市伝説に顔を出し、そして登場するのはたった数行だけにもかかわらずその存在感は唯一無二。多大なインパクトと、すべての物語を一手に引き受ける度量の広さ。
都市伝説でも、古典怪談でも、西洋の怖い話でも、すべてが彼の舞台となります。
Tさん、On The Stage!
すげーよ、Tさん! おそらく彼のファンになったのは私だけではないでしょう。「洒落怖」にハマった人間ならかなりの割合で彼に出会っているはずで、彼の存在に救われた人も多くおられることでしょう。
Tさん! 寺生まれのTさん!
あんなキャラクターは二度と生まれないのではないでしょうか。
ご存じない方にTさんの魅力を布教すべく、Tさんの登場シーンをご紹介させていただきたいと思います。
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「破ぁーーーーー!!」
Tさんが叫んだ。あたりは白い閃光に包まれ、そして何もいなくなった。
「間に合ったな」
Tさんが笑いながら僕らに振り向いた。
「Tさん、なんでここに?」
「コンビニ行くのにアシが必要でな、さあ行くぞ・・・」
そう呟いてTさんは片手でタバコに火をつけた。
寺生まれってスゲェ・・・その時改めてそう思った。
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すべての怪談にこの8行を加えるだけで怖さが全くなくなる! 不思議! 寺生まれってスゲェ!
皆さんも怖い話を読み過ぎて眠れなくなってしまった時、その怖い話のクライマックス辺りにこの8行を挿入してみてください。
不思議! 今まで読んでいた話の怖さが全くなくなる! 寺生まれってスゲェ!
そして汎用性がスゲェ!
わたくしは、あまりにも「寺生まれのTさん」のファンになってしまったため、もうストーリー仕立ての怪談が書けなくなってしまっております。
……そう、実は話の結末にTさんを出さずにいられない病になってしまったのです( ゚ω゚)「破ぁーーーーー!!」
あ、あともう一つ、同時期に派生した都市伝説に「本物のヒップホップが、ここにあるのだ。」という話があります。
これも大好きな話なので、ぜひググって読んでみてください!
冒頭は「長年連れ添った仲の良い老夫婦がいて~」から始まります( ゚ω゚)チェケラッ!
江戸の昔から、人々は怪談を恐れ、また怪談を恐れる自らの心をも風刺してきたのです。今年の夏も新たな怪談が生まれるのは、例えその根拠由来が忘れ去られても、この国に長く連なる風習の一つなのでしょうね。
……最後に、Tさん関係なく短すぎて自主企画に参加できなかった172字のちょこっとホラー、拙作「山でよくあること」
https://kakuyomu.jp/works/16817139557000947426 を宣伝させていただきます。よろしければ、どうぞ。