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【メモ】来光の向日葵(2)

目覚めた向日葵は、陽光に包まれた大地を歩む。

春の陽気に大河の川面がらんらんと光り輝く。

こんな素敵な土地だというのに、
道を除いたら文明の痕跡が他に見当たらない。

大地は人の手を加えられていない自然を物語っていた。

向日葵は歩いて行く。

人類の痕跡を見回して探し、草花を避けつつ歩き続ける。

見えてきたのは、緑の大地に生える桜の木々。

そして、鳥居が建っていた。

桜園来光神社という名の神社だ。

中を覗いてみると、大きなお社の前には人影が立っている。

白と桃色の長い髪の女性だった。

長い祈念を終え、こちらに向かってきた所で
人里離れたこの神社まで参拝に訪れた理由を訊くと、
彼女は縁在る神社の神様に友達の病気の治癒を願っていたという。

向日葵が髪の色や、容姿を褒めると
秘密にすることを条件に、
彼女は耳打ちで、自身を人造人間で在ることを明かした。

この時代の人造人間はどういった存在なのかを向日葵は知らない。

しかし自律していて、友人がいて、遠い神社に参拝しに来る。

彼女を人間性に特化した個体と見込んで、向日葵は意を決して打ち明ける。

向日葵は、自らも人造人間であることを明かし、
二千年程昔から目覚めた事を伝え、
制作者から与えられた使命がない事、
行く当てもない状態で在ることを話した。

すると彼女は、東京都心にいる人造人間と友達について話を始めた。

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