一つの人造人間が生まれた。
人々に太陽(永久の平和)を示す者……として、向日葵と名付けられた。
創造主である博士は、その後の生涯を全てその子の将来に費やした。
全ての学習を終えて、子は眠りに就いた。
子は、数千年の時を眠った。
その年は、世界中の食料不足を解消に導いた記念すべき時だった。
幾つもの命が始まっては終わり、
人類は遂に過ちに終止符を打ち武力を捨てた。
世界は自然と信仰に溢れ、
地球は自然本来の姿を取り戻していった。
在るとき、向日葵は目覚めた。
世界はその時、平和を謳歌していた。
自然と人間が一つに成った世界。
光り輝く世界を見て、向日葵は思う。
どうして私は、この平和な時代に目覚めたのだろうかと。