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『夜と霧』読了

収容所の生還者の話を読みました。

『生きることに我々が何を期待するかではなく、生きることが我々に何を期待するかが重要』

という作中の文章に集約されると思います。

何も生み出さず、おそらくただ死んでいくだけという状況でなぜ生きるのかを自分で決める。

しかし、たとえばクリスマスには出所できるはずだという希望を持った人は失意に耐えられずに大量に死んだとあります。

つまり多量の失意を喰らうほどの希望を持ってはいけない。

かといって、未来のすべてを信じられなくなった人は動かなくなって死んだともあります。

どちらを選んでも生きることは困難であり正解はない。

なので、できるかぎりの小さな喜びを積み重ねていくのが大切なのかなと思いました。

配給のスープの底に沈んでいる小さなジャガイモがたまたま自分の椀によそられたりとか。

今の社会は『こうならないと幸せにはなれませんよ』と押し付けてくるのでとても息苦しいですが、私は全てを拒否して自分で考えたいと思っています。

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