• ミステリー
  • 創作論・評論

私のミステリの変なところ

読書企画を通じてみなさんのミステリーを読ませていただくうちに、私の小説のおかしなところが浮き上がってきました。

「環は刃を当てれば切れるんだ。」の第一話ではどんな事件が発生したのか、浮気か失踪なのかがぼやかされています。そもそも事件が発生したのかすら曖昧です。結局ストーリーの筋書きとしても、事件など起きていなかった、というオチになっていますからね。

探偵さんは助手である私の前でしか話しませんし、あの人の推理にはいつも根拠や証拠がありません。なのに当たっちゃうんです。まるでデュパンさんやマープルさんみたいに、なんだかよく分からないけど当てちゃうんですよ。腹が立ってきちゃいます。

でも、あの人の言うことはいつも何故か正しいんです。探偵さんが「これは君に任せるべき仕事だ。」って、私に事件の解決を託したのには、何か意味があるのでしょうか、それとも、単に怠けたいだけなんでしょうか。安楽椅子探偵だかなんだか知りませんが、怠け者にお給金は出ません。働かざる者、食うべからず、ですよ。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する