ついに、グウィナとハダルクのはじめての夜になりました。
ここで竜族の複数婚についてのおさらいですが、一対一のふつうの結婚関係のほかに、子どもを作ることを目的とした婚外関係が存在します。これ以外に、一夫多妻、あるいは一妻多夫も認められています。ただし、ライダーのみの特権であり、コーラー以下の階級はふつうに一夫一妻制です。
「つがいの相手」と言った場合には、一時的ではない永続する関係を指します。(デイとリアナ、グウィナとゲーリー、ハダルクとその妻がこの関係です)
グウィナとハダルクのような場合には、「一時配偶者」と呼んだりするようです。リアナとフィルも関係としては近いです。
それぞれの配偶者の了承のもと行われるもので、現代でいう不妊医療的な意味合いがあります。なので、相手はかならずライダー階級(かつ、配偶者とおなじ竜種の人物)ということになります。
なので、グウィナとハダルクにもそれぞれ夫・妻がいますが、浮気ではないですよ。
子どもができた場合の親権や婚資の額など、あらかじめ契約書を交わしてから、おつきあいとなります。
不倫関係ではないので、それぞれの配偶者に対しては尊重しなくてはいけません。夜の営みにもそれなりのお作法があります。
まず、どちらかの家に訪問して行うこと。男性が女性の家に行くケースが多いですが、逆でもかまいません。男性が訪問する場合、その家のあるじ、つまり女性の夫に挨拶をします。女性は、男性の妻に慰安の品を贈ります。(あなたの大切な夫をお借りしてすみませんという意味ですね)これは男性が訪問するたびに贈られるもので、布ものや装身具などちょっとした品物になります。女性側は婚資を払うことも多いので、かなりの出費がともないます。
夫を貸し出した妻にはさまざまな優遇が与えられます。たとえば社交の場に出た場合、夫の一時配偶者とおなじ待遇を受けることができます。たとえばハダルクの妻は中級貴族ですが、五公の一員であるグウィナとおなじ扱いを受けるといった具合です。
こういった慣例があるので、夫の出稼ぎに寛容な妻もいるようですが、なかなかそう思いきれない女性も多いようです。
あとは、「一夜の夫婦」としての儀式もあって……そのへんは、本文にあるとおりです。夜の営みだけではなく、食事をともにするという慣例ですね。
ここまで書いて思いましたが、リアナとフィルの場合には別邸を用意して夫婦生活をおこなっているので、この例にはあてはまらないですね。むしろ、一妻多夫型に近いかもしれません。ただ、こういうケースは少なく、女性は複数夫を好まず一時配偶者ですませる場合が多いようです。「夫が複数いるなんてめんどくさい」ということかも。
追記:元気があれば、このハダルクとグウィナの初夜はR18版として書くかもしれません。出すときは、Pixivかな~。
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イラストはフィルとリアナ。フィルぜんぜん出番ありませんけど、今回ちょびっとカメオ出演(?)しています。気づきました?