ダークゾーン 11 挿絵

「カバチ垂れんなヘタレが」

 さっきまでの怒鳴り声とは違う。言って聞かせるような声。

「家族に襲われた? 目が見えない? オレが怪我をしただ? 関係ねえ」

 胸ぐらを掴もうとして、失敗した。剣次のTシャツの襟を何度も握りなおし、ついに力と勢いをこめて吊り上げる。

「お前は何をしにここに来た? オレの援護じゃろうがボケ。それ以外どうでもええんじゃ!」

 目と目が合う。

「ええか。ここまで来て一人でテンパってんじゃねえ。そんなに見えなくて困っとるんならなァ!

 ――――オレがお前の眼になってやる!」



 頭突きをかますかの勢いでまくしたてて、突き放した。

 いきなり手を放されたので剣次は突き放されたままに尻餅をつく

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する